第2話 占い
「どーも!ニコニコチャンネルのハナです!今回は何と前世を占ってもらえるという占い師さんのもとに行ってみたいと思います!」
▽□通りの少し先を左に曲がり、狭い路地に入る。
5分程歩くと、えんじ色のカーテンのようなものが目に入る。
「あそこっぽいですね…!
なんというか独特の雰囲気がありますね。」
実際にその場所まで歩いてみると、中に入れと言わんばかりに人1人分くらいの空間がある。
「では、早速入ってみましょうか!」
タレントとカメラマンの二人はに中に入る。
思ったよりも広いようで、しばらくすると白い布で覆い隠されている場所があった。
1人が携帯のライトで照らしてみると、中には誰かいるのが分かった。
表現するなら、白いベールのようなものが部屋全体を覆っているような、そのような感じだ。
「もしかして、中に占い師がいるんですかね。」
カメラにギリギリ入るか入らないかの声から、少しばかり、
この空間に冷や汗をかいてしまっていることが分かる。
「みなさん、この先にどうやら占い師さんがいるみたいなので、ご対面したいと思います!」
白い布をめくる。
中には表にあったえんじ色と同じようなカーペットが敷かれており、黒い椅子が置いてある。
ここに座れというのだろうか。
「失礼しまーす…」
恐る恐る椅子に座ると、正面で顔を伏せていた占い師と思われる人がゆっくりと顔を上げた。真っ黒なフード付きのワンピースを着ているが、顔は黒いマスクで覆っているので、見えない。いかにもだ。
「……占いたいのか……」
占い師は消え入りそうな声で呟く。声からして恐らく女性だ。
「えっとですね…
ここで自分の前世が占えるという噂を聞きまして、取材に来ました!
といっても、取材許可は今から貰うんですけど…」
ハハッと気まずそうに笑うと、
「お前の前世を占えばいいんだな?」
占い師の後ろから別の男の声が聞こえる。
「その分、金は払えよ?
あと、前世を“確かめるようなこと”はするなよ?」
Tシャツにジーパンという占い師とはかけ離れた格好をした男が言う。
占い師は二人?いやそれとも女の方は見せかけで男が本当の占い師なのか?
「占ってほしいんだろう?始めるぞ。」
占いは始まった。
「いや~、それにしても私の前世が戦国時代の忍者だったなんて、性別も違うし、全然想像つかないですけどね!とても面白かったです。」
「では、また次回お会いしましょう!高評価とフォローお願いします!」
被害者の映像はこれで終わりです。
この占い師のところに聞き込みを行った方がよろしいかと思います。
何かご意見があれば、よろしくお願いいたします。
Dyw”.9
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