第2話 六賢者
"六賢者"
それはこの世界の6人の名誉有る大魔道士の事を指す。しかしその存在は未だ謎に包まれており誰が六賢者に属しているかも分からない。
「天文の魔女」アスナは理由は省くがふとした事で存在が世間に露見され、今は世間が彼女に注目している。だが存在が知られているだけで彼女がどのような力をもっているかは露見されていない。
しかし二つ名の「天文の魔女」がカギを握っていることは確かだろう。六賢者の存在は魔政府、普通の世界でいう政府のような存在がその情報を隠しているようなのだ。世間では六賢者の一人「アスナ」の存在がバレているが私はその他にもう一人かつての六賢者の一人だった大魔道士を知っている。そうそれは、私の師匠であり、家族だった、「大地の魔女」フロストだ。
フロスト様もアスナ同様、魔政府から存在を隠されていたが私は彼女の素性も力も知っていた。
師匠フロスト様は大地を自由に操る事ができるのだ。例えば砂漠一帯を植物が生い茂った大地に変えたり、魔法を使ってなにも無い所から川や湖を生み出したりと、とにかくものすごかったのが私の師匠に対しての記憶だ。今私が住んでいる町と元はなにもない砂漠地帯だったが師匠が魔法を使い自然豊かな大地に変えたのだ。そこから小さな村が出来、今や都市と呼べるほど発展していた。師匠はその功績が認められ六賢者入りを果たしたのだ。
もちろんその師匠の弟子だった私も同じような力を使えるが無論師匠ほどではない。私はというと草むらを花畑に変えたりするのがやっとだった。
「もっと修業しなくちゃね」
私は必ず師匠みたいな大魔道士になる。それが今の私の目標であった。
「おっと、もうこんな時間じゃないかぁ」
ふと時計を見ると午後10時を回ろうとしていた。
「明日も学校だしさっさとお風呂入って寝ますかぁ。あ~憂鬱だよぉ」
私は重い足取りで風呂場に向かおうとする。
「…ピンポーン」
すると突然インターホンが鳴った。ったく、こんな時間から誰だよ。私は少しカリカリしながら玄関に向かう。
「…ピンポーン、ピンポーン」
「あー!うるせぇなぁ!」
私は玄関を勢いよく開けて…。
「こらぁ!うるせぇぞぉ!今何時だと思っ、て…」
そこで私は目を見開いて硬直する。だって、そこには…。
「あら、悪かったわね。でもあまり人を待たせるんじゃないわよ?」
そんな言葉を並べているが私は彼女の顔一点に集中していた。だってそこに立っていたのは、今や世間が注目している"天文の魔女"アスナ本人だったからだ。
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