サイン会の後……
『ロゼさん……綺麗で不思議な人だったな……』
すっかり暗くなった街並みを夢のような時間に浸ったまま一人歩く。
ザワザワ……
だけど、辺りが騒がしい。
「そこの美人さん!オレ達と遊ぼうぜ!!」
何だ?ナンパか……?
「嫌ッ……!!離して!!」
……!!
ロゼさんが大勢の男に囲まれている。
助けないと……
「やめろ……!!彼女、嫌がってるだろ!?」
「あぁ?何だテメェ……名前は?」
「マリン……」
「ロゼさん……俺にしっかり掴まってて下さい」
「えっ……?どうするつもり?」
ロゼさんの震える指が俺の背中に力強く食い込む。
「弱そうな奴……やれ……!!」
男達がマリン達に手を出そうとした瞬間、風の様に影が宙を舞って消えていった。
「なッ……!?アイツら何処行った……!?」
「分かりません……!!」
惑わす心、真実の愛に変わる時…… 如月 春音 @Kisaragi-Harune
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