第15話 ヤマタノオロチ

ナターシャをパーティーに加えた僕たちは、サイガの村にたどり着いた。

なんというか、和風だ。

こうなると、だいたい次のジョブはアレかアレだな。

さて、星マークのある人物を探そう。


見つけた。

やっぱり忍者だった。

僕は話しかける。


【挿絵】

https://kakuyomu.jp/users/hm-ciao/news/16818792436341869444


「あの…」

「ん? 拙者に何か用でござるか? 今、忙しいでござるが」

「いえ、きっとあなたが僕たちに用があると思うんですけど」

「左様でござるか。では、お主らが、いにしえの伝説の精者でござるな」

「はい、そうです」


伝説のバーゲンセールだな。


「では、お主らに頼みがあるでござる。拙者と一緒にフジイ山に登り、ヤマタノオロチを倒してもらいたいでござる。あと4時間以内に倒さなければ、イケニエが食べられてしまうでござる」


ヤマタノオロチ?

なんか、これまでになく強そう…。


「でも、引き受けないとストーリーが進みませんわ」


ジャンヌはすっかりゲーム慣れしている。


「感謝するでござる。拙者、ヒカルでござるよ」


こうして、僕たちはヒカルと共にフジイ山に登った。

すると、途中で2つの分かれ道があった。


「むむぅ。ヤマタノオロチはどっちの道の先にいるでござるか…」

「まずは左から行ってみる?」

「ダメでござる。あと30分しかないでござる」

「ならば、ここは二手に分かれますことよ」

「よし、パーティを決めよう」

「ちょっと待つネ。この細い道じゃもう馬車は通れないネ」

「そうか…。仕方ないな」


こうして、僕たちはパーティを編成した。


第1部隊は、僕、ヒカル、ミリア、フレカ。

第2部隊は、ジャンヌ、リッカ、ナルマ、ナターシャ。

馬車で待機するのは、ライオ、ヤオ。


ライオは、ナターシャに撃たれた傷が完治していないので待機組。

馬車でライオと2人っきりにしても安心な物理戦闘力を持っているのは、ジャンヌ、リッカ、ヤオ、ナターシャ。

ナターシャは、どうしてもジャンヌと一緒に出撃したいと言う。

リッカは、ナルマと一緒にいれば、いざというときに精力を発動できる。

そこで、ヤオが残ることになった。


「何かしたら、この山から蹴り落とすネ。実績アリね」

「むふー、蹴られるのも、たまらーんですじゃ。がふぅ!」


リッカが殴りつけてライオは気を失った。


「よし、行こう!」


僕たちは左側の道を進んだ。


ビンゴ。

ヤマタノオロチが現れた。

ヒカルは叫ぶ。


「オロチ! イケニエを返すでござる!」

「グオォォ!」


ヤマタノオロチは構わず襲ってきた。

言葉が通じる様子はない。


「くっ! やるしかないでござるか!」

「ひゃううぅ。怖いですぅ」

「フレカは下がってて!」


僕は叫ぶ。


「岩山…の…ちから…ロック…バレット…」


ミリアがそう言うと、地面から岩石が飛び出し、弾丸のようにオロチに向かっていった。


「グギャァァ!」

「よし! 今がチャンスでござる! 光月斬!」


ヒカルはジャンプし、オロチの8本の首のうち1本を斬りつける。


しかし。


「なに!?」


ヒカルの刀は首の半分ほどしか斬れていない。


「硬い!」

「くそ! フレカ!」

「は、はいぃぃ」

「やるよ!」

「や、やるんですかぁ…」


僕はフレカに近づき、服を脱がせる。


「な、なにしてるでござるか!?」

「いいから任せて!」


僕はフレカのおっぱいを揉みしだく。


「あぁぁん! ダメぇ!」


フレカがそう叫ぶと、白い衣、精衣スペルムクロスが発動した。


「ヒロトさん、やっちゃってくださぁい」


フレカは軽やかに踊る。

僕の中に、すさまじい力が湧いてくる。


「ウインドカッター!」


超圧力で放つ風の刃だ。

これなら。


「グガァァ!」


ウインドカッターはオロチの首を2本を斬り落とす。

スペルムクロスの効果が消滅する。

しかし、あと6本ある。



「ミリア!」

「はい…やりま…しょう…」


ミリアはそう言うと、服を脱ぎ始めた。


「だから、あんたら、何してるでござるか!?」

「あ…んあ…ダメ…あぁ…!」


ミリアから精地スペルムネイチャーが発動する。


ゴゴゴゴ…


「な、なんでござるか!?」


大地が割れ、白い炎が噴き出した。

噴火の力だ。

炎がオロチを襲う。


「グギャァァァス!」


3本の首を焼き尽くす。

しかし、オロチは2本の首から氷のブレスを吐き出し、鎮火してしまう。


残り3本。


「は…はぁ…ヒ…ロト…さん…」


まずい。

ミリアのスペルムネイチャーが暴走しようとしている。

僕は、ミリアの乳首を吸う。


「はうぅぅ…」


ミリアの精力は僕に吸収され、スペルムネイチャーは収まる。

しかし。


「ヒカル、まずいぞ。僕たちの精力はもう発動できない」


オロチの爪やブレスの攻撃が僕たちを襲う。


「ど、どうするでござるか!?」

「ここは一時撤退して、メンバー変更しないと。馬車にいるライオとヤオの力を借りる!」

「ダメでござる! イケニエが食べられてしまうでござる!」

「じゃあどうするんだ!?」

「拙者が相手をするでござる! その間に、仲間を呼んでくるでござる!」

「無理だ! こいつ相手に1人なんて!」


仕方がない。


「ミリア! フレカ! 僕も残る! ライオとヤオと交代してきてくれ!」

「わ…かった」

「死なないでくださぁい」


ミリアたちは道を引き返す。


「さて、どうする?」

「2人きりなら、やれることはあるでござるよ」

「え?」

「分身の術!」


ヒカルはそういうと2人になった。


「いにしえの伝説には、どうしたらいいかも伝わっているでござるからな。もっとも、他の人には見せたくないでござるが」


2人のヒカルはそう言うと僕の上半身の服を脱がせる。


「え?」


すると、2人で僕を責めはじめた。


「あぐっ! す、すごい! ああ!」


僕の精力が2人のヒカルにかかる。

すると、ヒカルの体が白く輝く。


「精忍! スペリミックイリュージョン!」


すると、今度はヒカルが8人になった。


「光月斬八連!」


八人の斬撃。


「グガガガ!」


オロチの全ての首を斬り落とした。


<ヤマタノオロチを倒した!>


僕はへたりこむ。

精力を3回も連発したのは初めてだ。


こうして、僕たちはイケニエになっていた村人を救出した。

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