カクヨム短歌賞1首部門 応募作品

オークラ

2023 夏 - 2024 秋

今食べた アイスの二本目 取ってきます。 なぜかというと おいしいからです。

透明な 蓋をかぶったカップアイス 冷気でくもって 宇宙飛行士

恋人と 別れて チラシ スーパーの 突然好きに なるわけもなく

スニーカー 影 アスファルト 蝉の死骸 空を見上げた。夏に気付いた。

ためらいの 語尾をひろって ころがしてみる。 何かが崩れる直前の 空白

愛してる死ぬまで一緒にいて欲しい でも君がいやって言うならいいや

真理とか手に終えない、といい加減 浮いてる天使を殺してやりたい

憧れの欠片を 好きの切れはしを 飲みほしながら歩いてたいな

あたたかいソーダのなかで平泳ぎしていて友だちの風邪を忘れた

イヤホンがワイヤレスとかダサいね と言われる時代を観測したい

窓の外 押し寄せた夜に 反射した 白熱電球 星の隙間で

信号を守るタイプのリーマンに 無言で送るフレンド申請

もっと広い心にそろそろ引っ越したい。 まあまだいいかと今日も不寛容

空騒ぎ喉に放った午前休絶叫ソリスト雨雨コーラス

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カクヨム短歌賞1首部門 応募作品 オークラ @okra_ocl

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