行先
駅前でタクシーに乗った。行き先はいつもの自宅。
簡単なルートなのに、最初の右折から見覚えのない道に入った。
こんな裏道あっただろうか、と思っているうちに、
住宅街を抜け、工場地帯のような場所を曲がり、
古いトンネルをくぐっていた。
どの道も初めてみる光景だった。
ナビは使っていないようだった。
運転手は一言も話さない。
ただ、車は止まることなく進み続けた。
焦るほどではなかった。
だが、どこをどう通ったのか、ひとつも説明できなかった。
それでも、着いたのは確かに自宅の前だった。
料金は普段通り。
運転手は何も言わず、ドアだけが静かに開いた。
メモ
所要時間18分(通常12分)
タクシーアプリって便利
通過した街灯がすべて古い型だった
一度しか信号に引っかからなかった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます