ゲーミング畳で極楽を想う発想に、思わず微笑んでしまった。縁側でスイカを食べたことがない、という告白が妙に胸に刺さる。夏への憧れと諦めが、短い言葉に込められている。私もまた、体験していない理想の夏を思い描いていた。
まだ3首です。まだ3首ですが、その韻律の美しさに惹き込まれてしまうのです。それにしても、この3首目。縁側でスイカを食べたことないしいとこの姉ちゃんだっていないし上の句と下の句の語尾が綺麗に「ないし」で揃っています。そして、この短歌の最も凄いところは、スイカもいとこの姉ちゃんも無なのです。無を表現することで、その裏側の有を表現しています。さらっと書かれているので看過されがちですが、超絶技巧が施されているのです。さて、タイトルは「あついね」。今後どんな夏の秀歌が飛び出してくるのか、待ち遠しくてならないのです。
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