第1話 チューバ吹きの少女達
私は『菅原ひまり』この『
そしてこれはそんな私の最後で最高の大会までの物語
—————————————————————————————————
「あ~つ~い~せんぱーいなんでエアコン付けないんですか~?」
「あのねぇさっきも言ったけど私達明後日パレードなの、だからこの暑さになれないと明後日死ぬよ、ほら次の休憩長めにとるからDからEやるよ!」
「はーい」
この腑抜けたことを言っている一年は『兵藤伊久美』彼女は40人近く居る入部した一年生の中から唯一チューバとかいう全く目立たないし人気も無いしくそ重いし楽譜はつまらないしそもくせ休符が少ないのに音だけは無駄にかっこいいクソみたいなパートに自分の意志で入ってきた変わり者だ
今私はそんな彼女と明後日行われる港まつりでのパレードのために『惑星よりJupiter 橘乃華アレンジ』と『威風堂々 橘乃華アレンジ』という曲を練習していた
「うん、いい感じだね、後はこの
「こんな感じですかぁ?」
そう言って彼女は今私が言った場所を吹く
「出来るじゃん、完璧だったよ」
「ふふん私にかかればこんなもんですよ、それじゃきゅーけーしましょきゅーけー」
「はいはい、エアコンも付けるね」
「さっすが先輩分かってるぅ」
「急に抱きつかないでよ!暑いって」
「嬉しい癖に〜」
「ちょっ離してって」
ほんとなんなんだこいつは急に抱きついてきやがって、そんな暇があったら譜読みでもしてろっての
「おーイチャついてんね〜んでひま、曲はどうなん大丈夫そ?」
「げ……春乃……なに?」
こいつは平本春乃、私の小学校からの親友で。ずっと同じ学校、同じ部活のある種腐れ縁とも言えるやつ、残念ながらトランペットパートのソリストになるくらいにはトランペットが上手い、あとついでに可愛い、許さん
「なんか失礼なこと考えてない?ま、それは良いんだけど暇だから遊びに来たよ〜」
「暇て、一年教えなよ」
「いや〜二年のためにも私が教えることないんだよ」
「めんどくさがんないでよ、帰って一年教えてきて」
「伊久美ちゃーんこのふくぶちょーどう思う?ひどくなーい?」
春乃は未だ私に抱きついている伊久美ちゃんに話を振る、なんでこの子はまだ私に抱きついてるんだ?
「酷いですよね、私がこんなにもぎゅーっとしてあげてるってのに無反応で、ほんっと最低」
「うん、そのことじゃないし。それはそれで最低だね」
「そうですよね!まぁそれはそれとして私ひまり先輩とイチャイチャしたいのでどっか行ってください」
「おうこっちのチューバも辛辣ゥほんじゃ邪魔者は退散しますかね〜あ、そうだそうだ」
「まだなんかあるわけ?」
「いや、このあと4時から合奏あるからそれ伝えに来たの忘れてたわ、んじゃまた後で」
あいつ本当に何しに来たんだよこれだから春乃は……
それはそれで許さないとして……
「なんで伊久美ちゃんはまだ私にくっついてるの?」
「せんぱーい聞いて下さいよ〜」
「オッケー聞いてあげるからちょっと離れよっか」
「この状態がいいです」
「だめです」
「ちぇ〜もーしょーがないですねー先輩は」
そういってやっと彼女は私から離れてくれた、しょうがないはないでしょ、ていうか暑かった……
「それでですね〜うちのクラスに春乃先輩の妹さんと仲の良い子達がいるんですけど、その人子達がずっとイチャイチャしてて~ひどくないですか?」
「……確かに目の毒だけど別に良くない?」
「いや、羨ましいんですよ」
「ふーんじゃあ練習続きやるよ~E~Fね」
「ふぁーい」
ずっとイチャイチャしてて羨ましいねぇ~……私も彼氏とか欲しいな
—————————————————————————————————
「先輩乙です、んじゃかーえりましょっ!」
「伊久美ちゃん元気だね」
「私もう疲れたんだけど……どこかの誰かがずっとくっついてきたおかげで」
「褒めても何にも出ませんよー」
こいつに何かを期待したのがバカだった、構わず先にさっさと帰ろ
「せんぱーいおいてかないでくださーい!」
—————————————————————————————————
~読んでいただきありがとうございます。
感想や、改善点、たくさん待っています。☆と♡ぜひ付けていただけると嬉しいです。ついでに現在同時執筆中の別シリーズも見て下さると嬉しいです~
あとがき
カクヨム甲子園ということでやはり部活かなと思い部活百合です。今回の作品に登場する部活はマーチングバンド部、マーチングってイメージないですよね実はマーチングって二種類あって……って話は次回作中で触れようと思います。それと作中でドイツ音名を使用していますが、読みづらいなどがあればコメントで教えて下さい、普通にドレミで書きます
追記
全国のチューバ奏者の皆様チューバを侮辱してしまい申し訳ございません、ここは一人のチューバ奏者である私の命だけで許してください……この作品だけは叩かないで下さい……
魂を奏でる少女達 だしまき @dashimakitamago2009
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。魂を奏でる少女達の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます