妖怪はどこにいるんだろうか。バイト帰りの夜道を歩いている時に、ふと何かの気配を感じて辺りを見渡し、何もいない事に首を傾げたり、通りがかった川のなかに何か大きな影が見えた気がして、改めて覗いてみたら何もいなかったり。いる気はするが、実際に見たことがない。
もしかすると、妖怪という存在は我々の心の中に潜んでいるものなのかもしれない。想像力があるからこそ、人は妖怪の存在を感じ取れるのかもしれない。心の中に潜んだ妖怪は、時として私の体を借りて顕現するものなのかもしれない。
だからこそ、本作の主人公のツバメちゃんは取り憑かれたんだろう。ひょんなことから龍に取り憑かれて、共に盗まれた『宝玉』を探すことになった彼女。他の妖怪や『憑かれ仲間』を前に、ちょっと傲慢な龍に振り回されながらも時にその想像力で逆に助けてしまう。ある意味、ベストマッチ。ある意味、お似合い夫婦……?
空想癖のある女子中学生・黒川ツバメは、ひょんな事から飛び込んでしまった河底で出会った大きな龍・カンダチと出会う。ツバメはカンダチと共にまるで空想のような現実に巻き込まれていきます。
このお話の主人公であるツバメちゃんの一人称の語りは、読みやすく感情移入もしやすい為、夢中になって読み進める事ができます。ツバメちゃんの優しくて素直な文体が心地良いです!
真っ直ぐ主人公のツバメちゃんと、ちょいと高飛車な龍のカンダチはもちろん、他のキャラたちも個性的で印象に残りやすく性格も好感が湧きます。
私は特に親友のチヅルちゃんが好きです。クール系かと思いきや友人想いでカッコいい……!!
もちろん、ツバメちゃんとカンダチも好きです!
爽やかで不思議な、空想に収まらない世界へツバメちゃんと一緒に飛び込んでいける素敵な物語。夏の冒険映画のようなお話が好きな方に特におすすめです。
現在第二部まで公開されていますが、妖怪や怪異が好きな身としては気になる展開目白押しで第三部も楽しみにしております!