甘く痛い記憶の洪水

ウォークマンで聴いた音楽、少し背伸びしたファッション、言えなかった「好き」の言葉やすれ違い、甘くて苦い記憶……描かれるすべてが懐かしく、自分の青春時代がフラッシュバックするようでした。
傷つきやすく不器用な二人が、互いの部屋という小さな空間でだけ心を寄せ合う「友達以上、恋人未満」の関係性が、愛おしく、そして切なかったです。
「もしあの時に戻れたら…」と考えてしまう切なさ、それでも二人が未来へ歩き出すラストには温かい余韻をもらいました。
忘れられない物語をありがとうございます。

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