氷はジャムにならない
冬城衣
氷はジャムにならない
きみと居るさみしさはお湯ぬくまってするする溶けてゆくのが不快
鍵のない小部屋でふたり眠ろうよ不安は毒でやさしいからさ
お布団にくるまるふたりは溶け合ってジャムに ならず ばらばらなまま
沸々と煮詰まったこの希死念慮ガラス小瓶に冷やさず注ぐ
心臓の鼓動ばっかり聞きたがる そんなにわたし死んでいますか
お湯だってジャムになったらいいのにな 死んでしまうね あったかいまま
ぐるぐると回り縮まるセーターに頬擦りをする涙で濡れる
なにもかも投げ捨てわたしと死ぬきみはすごく甘美で だから要らない
選べるよきみは生きるを ほらジャムをあげるから口あけてよ、あーん
生きることだけが理由で生きていいらしいきみには生きててほしい
氷はジャムにならない 冬城衣 @koromo_GuwuGzzz
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます