25


「お茶もどうぞ」


「ありがとう…不甲斐なくてごめんね」


「ふっ、なんですかそれ」



優しく笑う晴澄の前で久しぶりの食事をした。


「あー…美味しい…幸せ」


「よかったです」


本当に本当に美味しくて、涙が出そうになった。



温かい。

優しい。


まるで晴澄みたいで。



「眼鏡姿久しぶりに見ました」


「え、ああ…これ」


「昔はよくかけてましたよね、懐かしいです」


懐かしいと思えるほど…関わってないのにな。



「皐月さんとなんかありました…?」



そんな風に話さないと…聞きにくかったよね。

核心をつく…話は。



「皐月さんも、ちょっと変だったんで」



晴澄の表情は優しいけど、とても真剣な顔つきで、

サトリさんに言われて来たって言ってたけど、多分皐月さんの様子を気にしてて、

それも含めて来てくれたんだと思う。


きっと皐月さんと付き合ってたとしても、

晴澄に心配をかけてしまうことは変わらないんじゃないかとさえ思ってしまう。


頑張ってって、応援してもらったのにな…。


「なんて…言えばいいのか」


「無理して話さなくてもいいですよ」


「……いや晴澄にはお世話になったからちゃんと言う」


箸を置いて姿勢を正ししっかり座り直すと、晴澄が小首を傾げた。


…罪悪感を感じるのに、その表情がたまらないと思うなんて、


私も大分、薄情な人間だと思う。


「ごめんなさい。皐月さんとは…付き合わなかったの」


「…え?」


「色々協力してくれたのに…ごめんね」


「それは全然…いいんですけど」


晴澄はちょっとだけ動揺していた。

きっと次に話す言葉を慎重に選んでる。


晴澄がいい人すぎて、

自分が嫌になりそうだ。


それに…皐月さんも。


どうしてみんな、相手を傷つけないように考えて接することができるんだろう。


そんなことしてもらったって、

なにも…返せないのに。



「ごめんなさい…」



…謝ることしかできない。

俯いて、前を見れない。




「…辛いですか?」


「…え」


「恋愛」


「………」


「もともと、今の生活を直したくて始めた恋活なのに、辛そうに見えるなって」


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