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「?どうしたの?」
優しく問いかけてくれる皐月さんに心が揺れてたことは嘘じゃない。
あなたを想って眠れなかった夜も、確かにちゃんとあったんだよ。
「私…恐ろしいほど生活能力に欠けてるんです」
「え?」
「皐月さんの前では無理してたんですけど、実は外食が苦手です。そもそもご飯もまともに食べれないし、睡眠障害があって…夜眠れないことが多くて…それで今日のデートも迷惑かけちゃうんじゃないかって思うと…すごく怖くて…」
「………」
「皐月さんにそれを晒せるほど強くなくて…弱くてごめんなさい」
今何を言ったって言い訳じみて聞こえるのはわかってる。
だけどアプリでは晒せた自分のコンプレックスを皐月さんには晒したくないと思うほど、
あなたが特別な人になってた。
「こんなだから…私、友達もいなくて、だから…こんなこと言うの失礼かもしれないけど…楽しく話せる友達が…できたような気がしてて…」
「………」
「楽しかったんです…本当にっ」
…ここで泣くのはずるい。
泣きたいのは、私じゃないのに。
こんな風に皐月さんに言うことさえ、自己満のような気がしている。
それなのに皐月さんは困ったように優しく笑って…私の頭を撫でた。
「じゃあ初めての、友達ってことで」
「っ」
その一言に、どれだけの優しさが含まれているのか。
私が逆の立場なら、そんな風に言えるだろうか。
いつか皐月さんのように強く優しい人になれたらいい。
今はまだ、言葉を持てない。
愛してもらう資格もない。
ただただ、優しい笑顔と言葉に…甘やかされて寄りかかるだけで精一杯だった。
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