21

「どう?」


「美味しい…感動します」


「本当?よかった。俺も食べよ」



デリバリーをした時や、外食の時と同じだ。


美味しいのに…これ以上食べ物が喉を通らない。


でも食べないなんて選択肢はない。

何がなんでも食べないと。


皐月さんが、せっかく作ってくれた料理だ。



「うまっ。俺ハンバーグが1番得意かも」



この笑顔を、傷つけたくない。

私が無理すればいいだけの話だ。



「おかわりあるよ」


「そんなに食べれないですよ」



…なんとかその時の気持ちを隠して食事が終えると、手持ち無沙汰になり異様な空気が流れた。


テレビはついているけれどお酒も入っていて、お互いの距離もなんとなく近い。



「今日、楽しかった?」


「は、はい」


「ふっ、俺も」



傷つけたくない。



「もう…気づいてるよね。俺の気持ち」



傷つけたくないけど、




「槙江ちゃんの気持ちも聞きたい」




私は、そんな気分にはなれていない。


でもきっと、皐月さんはその先を望んでる。


晴澄に…応援してもらったのにな。




嗚呼…でも…、


傷つけたくないから、

望んでるから、

応援してもらってるから、



ーー皐月さんの気持ちに応えるんだろうか…?




「私は……」



こんなにも頭には、






「ごめんなさい。同じ気持ちでは…ないと思います」






ーー別の人が浮かんでいるのに。





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