18
お互いの仕事の予定が合わず、一瀬さん……皐月さんと1日出かける予定が決まったのはそれから2週間後のことだった。
ランチはどこでもいいと言ってもらった私のリクエストで皐月さんの働いているホテルのレストラン…つまり晴澄が働いているレストランで食べることになった。
皐月さんは午前中少しだけ仕事をしていて、先にレストランについた私は晴澄に出迎えられた。
「あれ…今日ホール?」
「今だけ。そろそろ槙江さんくるかなって思ったんで。コート預かりますよ」
「ありがとう。ねぇどうかな?このスカート昔気に入ってて久々に履いたんだけど、変じゃない?」
「…似合ってますよ」
「ちょっと見てないじゃん。真剣に聞いてるんだけど」
晴澄とは昔より大分打ち解けて、いい関係を築けているように思う。
私と皐月さんの関係を本気で応援してくれているし、同時に心配もしてくれているみたいだった。
「皐月さんからしたら、どんな槙江さんも可愛いと思いますけど」
「ふっ…照れる」
今日履いているスカートは、晴澄と出かけるときに履こうと思っていたチェックのスカートだった。
あの時は似合わないと嫌悪してたけど、今はあの時より自信を持って履けるようになった。
気持ち悪い顔で笑っていると晴澄の目線を感じた。
「何…?なんか変?」
「別に。今日は、結局このあとどうするんですか?」
「この間晴澄とこれ作ったでしょ?私やっぱり何か作るの好きだなぁと思ったから、今度は陶芸体験行こうと思って、皐月さんが予約してくれたの」
席に案内してもらい、この間晴澄と出かけた時に作ったネックスレスを見せながら話す。
「…いいですね」
いい関係を…築けているとは思う。
でも、あれから晴澄は私との距離を一線引いているようにも思う。
こだまに行っても、キッチンから出てこないことが多いし、会話はしてくれるけど、ちょっと口調は強い。
いい関係性だからこそとも思えたけど、少し寂しい気もして…こうやってレストランにまで来て、自分で合う口実を作っているような気がしてる。
いやもともと晴澄は…こんな感じだったかもしれない。
1日出かけて私が勝手に距離感を間違えているだけで…。
「ねぇ晴澄」
「なんですか」
「頑張ってって…言ってくれない?」
「え?」
「緊張…してるから」
「………」
晴澄にそう伝えるのは少し恥ずかしかった。
だけど、晴澄にしか…相談できなかった。
応援してほしい、晴澄に。
「私…うまくやれるかな…」
「………」
「…なんか言ってよ」
なんとも言えない空気が流れたと思ったら、
私の椅子を押すために後ろにいた晴澄が、
目の前に回ってきてしゃがんだ。
「応援してます」
「っ」
「頑張ってください」
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