「星降る夢に、終わりの光を」あとがき
作品リンク:
https://kakuyomu.jp/works/16818622176698638076
〜あとがき兼作品解説〜
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
いかがだったでしょうか。
こちらの作品は昔、私が参加していた文芸サークルのようなところで「お題で小説」というコーナーがあり、そこで評判が良かったため、推敲して、投稿したものとなっております。
その時のテーマが当時のニュースにもなった「双子座流星群」でした。さらに、縛りとして、書き出しが「泣かないで。」、書き終わりが「一粒の涙」、さらに学業をしながら執筆期間が三日と中々な条件下で書いていたので、ある意味で思い入れが強かった作品です。
さて、この作品をお読みになった際、非常に読みにくい表現や言い回しがあったのではないでしょうか。特に、知らない表現がいくつか出ていたと思います。
それもその筈。この作品の表現には一部古典的なエッセンスを加えているのです。
もちろん、純粋に私の力不足で伝わらなかった描写もあるとは思いますが。
一部、特に読むことが難しかったであろう表現を少し解説します。
作品中盤で出てきた「
しかし、掛け言葉ということは、別の意味があるもの。単刀直入にいうと、これは「十六夜の月が空に浮かぶ」様子を表しているのです。そのまま「十六夜の月が空に浮かんでいる。」って書けよ!となるでしょうが、それは大人になった私も思っていますので、あの頃の私にクレームを入れておくとしましょう。
それよりも、察しの言い方は気づいているのでしょうが、「十六夜の月が空に浮かぶ」様子と来ているのですから、文意的に見て“十六夜の月”と“空に浮かぶ”の二つに分けて考えるべきでしょう。そうなると、「
分かりやすく、“既望”の方から行きましょう。これは古い表現で、「十六夜の月」を表してます。“既”は字の通り、「既に」でここでは少し過ぎたという意味ですね。“望”は満月のことを言っています。なので、既に満月を過ぎたという意味で、陰暦十六日の月のことを指しているのです。
もう一つの、“猶予う”は一般的な「揺蕩う」の別表記です。こっちの揺蕩うだとその直前の星空を海原で比喩しているのを合わせると、なんとなく想像がつくのではないでしょうか。ただ、この表記にしたのは、前にある掛け言葉の都合上です。「猶予ある希望」この作品のストーリーのメインである制限時間をここで少し暗喩して意識させるトリックでもあります。
さて、解説が長くなってしまいましたが、この辺りで。
それでは、また別の作品でお会いできることを楽しみにしております。
あとがき集 〜作品の解説付き〜 月宮 和香 @tsukimiyawakou
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