第6話 彼の、彼による、彼にしか読めぬ解説

 以前、彼がマメな性格だといったな。そして兵器に関する記録も詳細に残っていると。ああ残っているともただし読めんがな! 正確には何を意味しているのか全く分からない。まあ、知りたいと言うなら幾つか象徴的な兵器を教えてやろう。これが彼の解説の文だ。



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・Finger Missile Systemについて。

 中間誘導に相対角度と三角測量、および固定の電波局を用いた電波航法を使う。目標地域から設定された距離に入った際、終端誘導を開始する。


 高度8000m付近を巡航し、見通し線の計算より最大射程およそ640kmを持つ中距離巡航ミサイルである。現段階では高精度の慣性航法装置を作成することはほぼ不可能である上生産性が低くなるため内部データと電波航法を採用した。また計算機資源をあまり食わないこともありがたい。別名1型多目的巡航ミサイルシステム


 終端誘導はアクティブ・レーダー・ホーミングおよび地形等高線照合であり、対移動目標か否かで決める。


 システムとあるように、複数の兵器群の総称である。


・多面体型低技術核弾頭

 爆縮型原子爆弾の爆縮レンズの衝撃波を平面波にして設計難易度を大幅に減らし、それによってできる圧力の偏りはユゴニオ弾性限界の高いセラミックによって角や辺を補強することで核爆発を引き起こすもの。通常の爆縮レンズを使用したほうが性能は優位に高いが、それほどの計算機資源を持ち合わせていないため諦める。


・1型地対空ミサイルシステム

 それぞれ基地側は警戒レーダー、捕捉・追尾レーダー、イルミネーター、ミサイル追尾レーダー、誘導信号発信機、計算機。ミサイル側はロケットモーター、敵補足用パッシブレーダー、誘導信号補足用パッシブレーダー、ジャイロスコープからなるミサイルシステム。


 誘導方式は中間:指令誘導、終端:セミアクティブ・レーダー・ホーミングであり、指令誘導は補足・追尾レーダーの情報とミサイル追尾レーダーの情報から進むべき方位と高度を算出、誘導信号発信機から角度のデータ、つまり2つの数値を送信する。ミサイル側はジャイロスコープと照合しその角度に向かって飛翔する。


 終端誘導段階に入ったらイルミネータが起動し目標に照射、その反射波をミサイル側の敵補足用レーダーで探知、誘導し命中する。


・1型弾道ミサイル・Launching Radio Station Radio Guided Ballistic Missile System(LRSRGBMS - ラーサーグBMS)

 弾道ミサイルに搭載されたジャイロスコープおよび受信機で発射型電波局が発した電波を捉え、軌道を修正する弾道ミサイルシステム。

 発射型電波局は簡素な慣性航法装置を搭載しており、事前に設定された進路に沿って進む。また、誤差修正のため多数発射される。そしてミサイルが頂点に達した付近で電波を発信する。

 弾道ミサイル本体にはそれぞれの発射型電波局の発信電波と位置情報の時系列順データベースが搭載され、そこから三角測量を行った中央半分の平均を取り、それを自身の位置として計算、スラスターで軌道修正する。



 弾道ミサイルのプロセッサには、2進数三角関数表と2進数対数表のROMを利用した入力するとそれぞれ三角関数、その逆、対数、その逆を参照し返すサブプロセッサーユニット・SPUと加算機の機能と命令を捌くCPUがあり、比較的単純かつ低速。もし、高速化改修するならば乗算機および加算機をROMを利用してそのまま参照、つまり九九みたいに覚えさせる方法がある。つまりただのルックアップテーブルだ。どの道素子の速度を上げるのは簡単じゃない。こういう方法を取らざる終えないだろう。

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 どうだ? 意味分からんだろう? この内LRSRGBMSと言うやつは今の "彼の光" の一番最初の型のようで、それでも多大な威力を持っている。逆に、これはかなり後の方の兵器だ。

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