Ⅰ 異呼ロク、誕生と成長
これはあとから聞いた話ですが、ロク様は、母の肚から産まれた時、泣かずに笑っていたそうです。
それも不敵に「クククク……」と。
そんな不気味な赤子の様子に、ご両親は酷く困惑したそうです。
もしかして、この子は悪魔の子なのでは……と、そんなことまで考えてしまったのだとか。
しかし、私はそんなご両親に言いたい。
貴方がたの息子はとても善い人に育ちますよ──と。
──
ロク様が産まれたのは、ネクロガスタホーン家と呼ばれる北の辺境伯領でした。
ネクロガスタホーン家の歴史は古く、すでに数百年も北の辺境伯として王国を支えておりました。
そして、ネクロガスタホーン家に伝わる、それはそれは恐ろしい失われた秘術──
「クククク……」(僕そういうの大好きです)
あ、()の中は私による注釈です。
ロク様はもう誰も使用することのできない秘術の解読を始めました。
2歳で。
そして、5歳になるころ、遂に秘術を会得してしまったのでした。
それはこの世界の五元素魔法の火、水、木、土、雷のどれにも属さない異次元の魔法。
後世では、ロク様のみ扱えたその魔法を、異形魔法と呼ぶことになります。
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