その夏、テレビはついていたのか
スズキ皐月
その夏、テレビはついていたのか
幽霊と幽霊文字は似てなくてぼくは幽霊文字に似ている
勝新の茶漬けの食べ方 ひとりでも狭いと思う部屋にひとりだ
友だちは遅刻してくる欲しいものすべてが売ってた店の跡地に
嘘みたいに明るい居間のいつ見ても救急箱にない吐き気止め
いや今のなんの間なん?とツッコめばむしろ静まる夜中のコメダ
4コマでひとコマ違う場所にいるぼくに託したお酢を買うこと
きっと今も実家のあかりは燦々と母の目をくらますほど光る
ユーモアを競うしりとり からっぽのあとにポラリスと言えばよかった
イチローのヒットの数よりいる先祖よりもっといるたくさんのぼく
あのロバは幸せだった? 覚えてるすべての君が叫び始めた
その夏、テレビはついていたのか スズキ皐月 @koumoonsuzu
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