第2話 魔王城は既製だったので改築するぞ
魔王城(自社ビル)は既に先代魔王たちが殆ど完成させていた。
というよりも
代々の魔王が、「ユニット」で作成してたもんだから、
巨人族の魔王の代の城ゆにっとセットは、玉座や道具置き場は流用したり保管したり城壁の一部に転用(え?)されてたりするし、
小妖精が魔王だったころのセットは見本で一式保存され、なんだったら改築の際の板目紙模型っぽくシミュレーションされたりするのだった。「えっ」
魔王になったんだから、せっかくだから俺はダンジョンでもひとつ、つくってやるのだぜ。
ダンジョンの中には、当然、トラップと宝箱。
トラップは当然落とし穴で、ゴミもリサイクルしてくれる完全循環型。そして廃棄物は無機物はユニットの原料に、有機物は無毒化して肥料や火薬にするわー。
ヒト族冒険者パーティが落っこちると、装備を取っ払って出口まで滑り出す仕掛けだわー。
肌着くらいは着けたまま滑り出してくるわけだが、
滑ってたらお尻やぶけた・ぱんつはいてこなかった・「じゃじゃ丸のじゃじゃOがポロリ」がいるでよ、という不運な冒険者たちにのために、いちおう出口付近には衣料品のお店が。
夏は「おにのぱんつ(「ヴェスヴァイオ山に登ってきました」の各国語版しおりつき)」「腰みの(長ーいロール式になってるのでその場でメーター量り売り)」「アニマル柄水着(だっちゃ)」、
冬は風邪などをひかないていどの量販品衣服を、それなり価格で提供するお店が用意してある。
夏場のラインナップについて言い訳する。魔王配下って、ザンネンながらあんまり服飾に興味ないのばっかりなんだ。年中、真夏の炎天下に礼服にネクタイでも汗一つかかなかったり、厳冬下の高山で短パンにランニングシャツで雪中行軍したり、自前の毛皮で衣替えでなくて換毛したり、周囲の気温を魔族ぱわーで制御したりするので。
魔王としては、真夏はぱんつ一丁でスイカ食べたりしたいんだが、夏でも偉そうなフル装備。冬は着込まないと風邪の一つでも引きそうなもんだが、冒険者の極大魔法をくらっても無傷なんだからそれこそぱんつ一丁でも大丈夫なんじゃないだろうか。後世に、巨人族でもないのに、人間サイズの人間型でぱんつ一丁の魔王の肖像画が残るのも、しょーもない話なんだが。魔王ぱわーもほどほどにしなくては。
ダンジョン内のミミックは宝箱に見えるが実は植物系で、あんまり強く無いが、ヒト族社会の通貨に酷似した種子を、大量に収蔵している。なにせ魔王なので、「悪貨は良貨を駆逐する」を生物学的に物理的に行ってしまうのだった。魔力ぱうわー。
贋金作りは文明を破壊するんで、通貨を用いる文明の社会では重罪なんだが。
魔族社会では、植物性贋金は、燃やして暖かく、種族によっては3時のおやつ(かなり好みのわかれる嗜好品だと思うんだけど)、地面に植えるとミミックが増えるミミックの種子、という、ヒト族社会における「通貨に見える包装のチョコレート」みたいな面白グッズなのだった。
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