「可視光域」

tanaka azusa

カクヨム短歌賞応募作品10首



「可視光域」


プリズムのリズムの部分がおかしくて太陽を背に何を見ますか


教材と思われていて構わない光り方する君の横顔


この傷は癒えるかどうか確かめる暗いほど良く光るプリズム


割り切れぬ式の中ほど輝くよ 正解の音七色に鳴る


虹を見て悲しい色があたたかい色になるでしょ、泣くのをやめて


影の無い狂い方した人だった 辺り一面ひかり散らして


恋人が遺書を書いてるそばでまたポカリスエットの底のきらめき


走馬灯こんな感じか桟橋で三角柱を転がしてみる


反射して逸れてきた罪のこと言えずに生きる少しだけ笑む


太陽を掴めやしない馬鹿らしい輝かしいなわたしの命

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「可視光域」 tanaka azusa @azaza0727

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