第17話 自分の用事を済ませに服屋へ
私たちはあるお店の前に立っている。久しぶりにあの子に会えるんだ。本当だったらいつでも、何だったら毎日でも会ってあの話しをしたいけど、それはできないし。私にも仕事があるから、さすがに毎日は……。
今までどうしていたかな? ササッと自分の用事を終わらせて、たくさん話しをしなくちゃ。
私はドアをそっと開く。と、その子は正面、カンウターの所に立っていて。私はを見ると、すぐにその動きを止めた。それは私も同じ。でもそれは数秒。私もその子もすぐに走り出して、私はその子に抱きつき。その子もしっかりと私にくっついて来た。
「オリー!! 久しぶりね!!」
『グエグエ、グエエッ!!』
「すぅすぅ、すぅすぅ、ハァハァ、う~ん、いつも通り良い匂い♡」
『フシュフシュ、フシュゥゥゥ。ぐえぇぇぇ♡』
お互いにそろえぞれ匂いを嗅いで、それからお互いを見合って、私たちはニッコリ笑ったよ。
「ちょっと、久しぶりに来たと思ったら、私に挨拶もしないで、私の相棒の匂いを嗅ぐってどうなのよ。オリーも私と遊んでいる時よりも、嬉しそうじゃない」
「だってねぇ、オリー」
『グエグエ、グエー』
「これが私たちの挨拶だものね。ちゃんとした挨拶よ、ね」
『グエグエ!!』
「何、ソフィアと同じ事を言ってるのよ。まったく、あいかわらずなんだから。グレイル、ライカ、ロピ、久しぶりね、こんにちは。元気にしてた?』
『おう! 久しぶり! 元気元気!』
『お久しぶりです。うちのソフィアがすみません』
『こんにちは~。……そっちもあいかわらずみたいだね』
私はそのままグレイルたちの言葉を伝える。
「あははは、そっちもあいかわらずみたいね。ほらほら、とりあえず1回離れて。まず今日の目的を確認しましょう。洋服を買いに来たの? それともオリーの匂いを嗅ぎに来たの?」
「どっちもよ。ちょっと面倒なことになってね、洋服が必要になっちゃったの」
「そうなの? じゃあ先にその面倒な事について聞きながら、洋服を選んじゃいましょう。じゃないと、いつまでたっても匂いを嗅ぎ続けて、あげく洋服を買わないで帰る事になりかねないもの。匂いは後よ。さぁ、離れて離れて」
そう言われて、後ろ髪を引かれながらもオリーから離れる。オリーもとっても寂しそうな顔をしていたよ。待っててね、すぐに洋服を選んじゃうからね!!
そうして洋服を何着か選んでもらい、私はそれの全部の試着をさせてもらったよ。いろいろ話しながらね。
「なるほど、ずいぶん機嫌が良さそうに入って来たと思ったら。それはほくほく顔にもなるわね」
「久しぶりの、みんなの好きな買い物だったから。毎回は無理だけど、あんなに喜ぶ姿が見られるなら、時々こんな日を作ろうかと思って」
「そうね、それが良いかもしれないわよ。ただでさえあなたは匂いのことで、みんなに迷惑をかけているんでしょうからね」
「みんなとの約束は、ちゃんと守ってるよ」
「どうかしらねぇ。さ、サイズはどう?」
「うん、ピッタリ」
「これで一応、選んだのは全部着たけど、どうかしら?」
「う~ん、今着ているのが1番良いかな? ごめん、もう1度そっちの洋服を見せてもらって良い?」
「ええ、もちろんよ」
へレーナが私に洋服を渡してくれる。私たちが今いるのは、この町で1番大きな服屋さんで。グレイルたちの買い物が終わったから、私の用事を済ませに来たんだ。
私はチラッとグレイルたちを見て、それから受け取った洋服に着替えるため、試着室に入った。
「うん、みんなが嬉しそうで良かった」
グレイルたちに、なんでも好きな物を、いくらでも買ってあげると言ったら。最初は心配されたし、私が冗談を言っているんじゃ? と疑われたけど。
でも本当だと分かったら、みんな喜んで買い物を初め。今マジックバックには、グレイルたちの買った物がいっぱい入っているよ。
きっと帰ったら、全部部屋に並べて、みんなでニヤニヤするでしょうね。
「ふふっ」
その様子を思い浮かべたら、思わず笑っちゃったよ。
ちなみに今は、ホクホク嬉しそうな顔をして、オリーと一緒に向こうで何か話しをしているよ。
それで、へレーナだけど。へレーナはこのお店の店主で。凄腕の職人でもあるんだ。
他よりも質が良いのに、値段が安くて、最初にお店に来た時はビックリしたよ。私が住んでいたあの街には、それはそれはたくさんの洋服屋さんがあったけど、ここまで良い洋服を売っているお店はなかった。
まぁ、少し前までは、一応貴族として生きていたから。街のお店じゃなく、仕立て屋を直接呼んで、洋服を作ってもらう事の方が多くて、
それなりの洋服を持っていたけれど。私はへレーナの洋服の方が好きね。私の今持っている洋服は、ほとんどへレーナのお店で買った物だよ。
それから洋服意外にも、この街に来て最初に仲良くなって、町のいろいろな事について教えてくれた、私にとって優しいお姉さんで、なんでも話せる相手なんだ。
旦那さんはダドリーと言って、冒険者をしているよ。たぶんだけど、今は森へ行っているんじゃないかな? Aランクの冒険者で、いつも街を守ってくれる、とっても優しい旦那さんだよ。
そして最初に挨拶をしたオリー。オリーはへレーナの家族で、オストリーっていう、ダチョウそっくりな魔獣。
荷運びや旅の足、話し相手として、商人や旅人に人気なんだ。子どもともよく遊んでくれる優しい魔獣よ。ただ、羽をむしると本気で怒るから、その辺は気をつけないといけない。
まぁ、むしるなんて、そんな悪いこと普通はしないけど。小さい子供だと、何をするか分からないから。
そしてそんなオリーだけど、私の大親友なんだ。
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