白昼夢

野森ちえこ

白昼夢

雑踏の中でとらえたメロディに腕をとられて時間旅行へ


カプチーノココアカフェオレハーブティ嗜好が語るあの子の恋路


内臓の奥まで揺らし空に咲く重い衝撃はかなき大輪


あの夏の思い出ひとつ焼きついて白いサンダル青のペディキュア


沈む日の茜に染まる君の頬いまを惜しんで影ながく伸び


一瞬で世界がおわることもある順番なんてなかったように


途中下車できぬ列車の窓の外きらめく景色つのる憧れ


ただひとり人とは違う方角をえらんでしまう君の背遠く


現実も過ぎれば陽炎はかなくて実感遠く夢と疑う


すれ違う孤独と孤独ざわめきの中で錯綜ボーダーライン


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

白昼夢 野森ちえこ @nono_chie

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画