第5話

なんとなく告白されて、別に好きな人もいないし、付き合うことにした。


お互い実家で、仕事場が同じだけど、シフト制で時間が合わなかったから、同棲することになった。


ただ、私は、当時人気ブランドの副店長。

彼は、よくわからないブランドの4番手。


家事をやらない、できない人だったから、完璧主義者の私は、仕事も、家事も一人でこなした。


とにかく忙しかった。


地方なのに売上が良かったし、店長が、"接客は神だけど、デスクワーク苦手マン"だったから、副店長で2番手の私は、売上もデスクワークも全てこなした。



"完璧主義の負けず嫌い"って、本当に面倒。


過去に戻って、自分をぶん殴りたい。






でも、私は仕事が好きだったから、とにかく没頭してた。



ただ告白されて、別に好きな人もいないから、で付き合った相手だから、仕事より、優先順位は下。


「俺と仕事どっちが大事?」って、聞かれたな。


「仕事。」って即答したけど。




良くなかったよね。絶対に謝らないけど。







当時、よく分からないブランドに勤めていた彼は、見た目も"汚いバンドマン崩れ"(失礼)みたいで。


徐々に、私好みに直した。


同棲する時に、実家から持ってくる服を吟味して捨てて、一緒に買い物に行ってコーディネートして、小物をイベント毎にプレゼントした。


髪型も変えた。



めちゃくちゃイケメンになった。


背が高かったし、スタイルが良かったから。




いや、私、服屋さんですし。


その人に似合う服見つけるの、上手に決まってますやん。




毎朝、私がコーディネートして、仕事に行っていた。



そんなデビュー(笑)してしまった彼。


マッチングアプリに手を出しました。

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