第2話
ハナ。
こいつの名前。
男に女っぽい名前をつけてしまったがまあいいか。
神から授けられた時に、何故か大量の花も同時に貰ったから。
安直だけど、自分で考えて名付けたらとんでもないことになるからそれよりかはいい。
こいつ、ハナが家に来てから1日。ピッタリ24時間でハナは目覚めた。
「ぁ、ぇ、だれ」
「俺はトウヤ。これは俺の兄ちゃんのユタカ。」
「よろしくね」
「トーヤ、ユタカ。おれは?」
「お前は、ハナ」
「ハナ。おれ、ハナね」
「ん。」
「かわいいね、ご飯食べる?」
「おれてんしだからごはんいらんです」
「ご飯って楽しいんだよー。トッくんも食べる?」
「や、さっき食べたからいらん」
「はーい」
やっぱ兄ちゃんの方がこういうの向いてるよな。
鏡に映る自分の不貞腐れたような顔を見てそう思った。
ぼーっと暮らしていくうちに10年経ってしまっていて、俺は15歳で前世でいう中学3年生になっていた。
兄ちゃんは3つ上だから高3で、春からこの家を出ていくらしい。
ハナは来た時に4歳だったらしく今や14歳。
たった一つ違いだけどこいつはすごく小さく見える。色んな意味で。
今は冬。俺が生まれたのも冬。
だから俺は冬が好き。雪で真っ白に輝く世界を見るのが大好きなのだ。
そしてハナも冬が好きだった。
理由を聞けばいつも、
「トーヤがうまれたから」
と言う。
言ってて恥ずかしくないのかな。俺は聞いてて恥ずかしいよ。
俺への機嫌取りか何かかと思うが、雪が降ると誰よりも嬉しそうに楽しそうにして、俺の友達の家に遊びに行っている。
冬が好きなのは本当なんだろうな、と思いながらハナの横を歩く。
右がハナで、左が俺。横並びで歩く時はいつもこれだった。
車道側とかフル無視して、ずっとこれ。
前世から、ずっと。
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俺は神になれるのか? 己野唯(きのただ) @k1n0tada
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