第十二夢

夢を魅せる―⑤


次々と新人が入る中、数日休んだのは悪手だったかと思わせる程

予約が入らなくなって早数日


待ちわびた予約が入った

「リピーター」の方だった


ああ、有難い。家賃の足しになる

一度会ったことのある人という事もあって恐ろしさはない

時間も少し長めだった


感謝の気持ちとともに部屋に入ったのだった


夢の後

食事に誘われる。こればかりは断らなければならない

自分を守るためでもあり、店に守ってもらうためでもあった


何より夢はひと時のものであり、続くものではないというのが私の考えだった


人の見る夢は儚いからこそ美しい

夢が昇華するときの刹那の輝き


それこそがこの仕事に就く上で自分自身に課した約束だった

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