第九夢

夢を魅せる―③

翌日。予約が入った


今日の人はどんな人なのだろう

理解されないかもしれないが、私はこの仕事に楽しみを見出しつつあった


雇い主が良い人だったのもあるだろう

店の縁だけは昔から良い方だ


指定された場所に行き、目を見張った

内縁関係にあった相手と同じ分類の人物がそこにいたからだ

一瞬、嫌な予感が走ったが仕事は仕事

夢を魅せる時間が静かに始まった


結果

嫌な予感は見事に的中していた

一定数いるであろうデリヘル嬢を「道具」とする人物


金を払っているのだから間違いではない

どう扱おうが客の自由だ


恋人のように甘い夢をみるか

処理道具として扱うか


扱いに反論することは仕事としてありえないことだ

ただ面白かったのは、分類も同じだったが扱い方も内縁関係にあった相手と全く同じだったことだ


そうか、内縁関係の相手にとって私は金のかからない処理道具だったのか

その事が面白くてたまらなくなった


風のうわさに聞くと、相手は私を追い出した後しっかりと室内清掃を行った後

浮気相手を呼んで同棲しているとか

彼女曰く過保護だそうだが夜も過保護なのだろうかと


我ながら下世話なことを一瞬だけ考えてしまったことは記憶の彼方に押し流すことにした

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