第六夢

「夢」の世界


求人を探して、私でも雇ってもらえそうなところに連絡をした

体に自信はない、年相応にたるんだ体に可愛くも無い顔


どこにでもいるようでいない特徴のなさ

突出したとりえもない


それでも驚く早さで採用が決まった

あれだけ落ち続けた就活が何だったのかと思うくらいに


お世辞でもいい

この業界なら私でも需要があるのかと「夢」を見られた


必要な登録を済ませた途端に予約が入る

新人は安く派遣されるそうだから予約が入りやすいらしい


稼ぐなら今だ

この世界に精通していない私でもそれだけはわかった


新人時代にどれだけの人の心をつかめるか

「夢」を魅せられるか

リピーターを捉まえられるか


私のひそかな戦いは始まった

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