第2話十五の春

雅史は、高校生になるまで元気ハツラツだった。部活では活躍し、勉強はしなかった。そんな雅史に訪れたのが高校受験だった。


部活を引退して家庭教師と喧嘩になった。


熱血漢の塊のような現役大学生だった。二浪して大学に合格したらしい。雅史はそんな家庭教師を心の奥からバカにしていた。自分の劣等感を俺にぶつけるなよと思っていた。


そして、喧嘩になり大学生は家庭教師を辞めた。


雅史は、夏休み、みんなが夏期講習に追われてる時に図書館で小説を読んでいた。


現実から逃げていた訳では無く現実が雅史には理解出来なかったのだ。


夏休みが終わり、雅史がずっと片想いしてた女子が東京に引っ越した。


雅史は、脱け殻のようになった。

体は重くワクワクもドキドキもしない億劫な学校生活が待っていた。


秋になって校長面接があった。


将来のなりたい職業を作文に書いて提出した。


「高橋君、これは、観光業に就きたいという事ですか?」


雅史は、まだ未開発な土地に行ってそこを世界中の人達に見てもらうという訳の分からない作文を書いた。


雅史は、まだ夢の中にいた。


しかし、現実が待っていた。


三者面談で行ける高校は公立の一番下の高校かバカな高校の私立しかないと。


親は、急いで個別指導の塾に雅史を通わせた。


しかし、数学と英語が絶望的だった。


雅史は、小学生レベルの問題も解けなかった。


だが、雅史は暗記だけは得意だったので公式を何とか覚えて解けるようになった。


そして雅史は、姉の梨香子と同じ公立高校を受験する事になった。梨香子は幼い時から賢くてモテた。雅史が自分の高校を受験すると知るとビックリしていた。


雅史が、勉強してる姿なんて見た事が無かったからだ。

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