生命力

起き上がる

第1話死ぬ

ここ数日間、高橋雅史はどう死のうかな?ばかり考えている。


ビルから落下。首吊り。


やっぱり服毒自殺かな?


心療内科とは名ばかりのバカ医師に薬を大量に処方してもらった。


雅史は、薬局で薬を受け取ると幸せな気持ちになった。こんな苦しい世界とはオサラバ出来る。


アパートに帰るとさっそく薬を大量に飲み込んだ。


そして布団の中に入って意識が無くなった。


扉を叩く音がする!うるさいな!俺の死の邪魔をするなよ!


音のうるささに雅史は目を覚ました。


口の中は粘つき体は軽い。


音は止んで遠のく足音。


急いで扉を開けて主の元へ駆け寄った。


「雅史、二日間も顔見せないでどうしてた?」


祖母の梅子だった。


「二日間?」


俺は、二日間目を覚まさなかったのか。


部屋に戻り絶望した。


梅子が起こさなかったら死ねたのに。


無職、バツイチ、精神疾患あり、こんな人間生きてる価値無いだろ?


両親には見離されて母方の祖母が経営してるアパートに雅史は転がり込んだ。


その、梅子も孫の雅史を溺愛する反面、支配したいと思っている。


金無し、女無し、自殺願望あり。


こんな雅史に光は無い。


一日中、部屋の中で涙を流していた。


自分で自分を殺すしか方法は無い。


無精髭が濃くなってきた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る