第7話 創作界隈における本格が持つ本質

 では、我らアマチュア創作界隈で度々話題に上がる「本格ファンタジー」というジャンルにおいて、万人からもそう呼ばれる小説とは何になるか。


 結論は最初に書いた通り、一次創作すべてである。


 本格とは、これも前に書いた通り規則だったりするわけだが、この落とし穴が存在する。

 人は、無から何かを作ることは「原則不可能」だ。


 物語には着想作品モチーフがあり、作りたい世界観があり、語りたいシナリオラインが存在する。

 それらの多くは自分が体験した経験であったり人から聞いた物語であったり、様々な視点が交錯した事件や事故など、多種多様な情報の流入が脳内で化学反応を起こし、ある日ビッグバンを起こすのだ。


 こうだったら面白いのに。

 こういう考え方はないだろうか。


 他の作品名を出すとそちらに引っ張られるのでタイトルこそ出さないが、勧善懲悪ものを読んだあとに、主人公こそ邪悪な存在だったとする作品を考えたりはしないだろうか。


 その時点でモチーフは既に存在する創作物ということになる。

 しかも、こともあろうか作者はそのモチーフをあえて「ここから取りましたよ」と分かるように埋め込むのだ。


 わかった方もいるのではないだろうか。


 創作における本格とは、いわゆる「共有」なのだ。

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