第十五話 純粋と憎悪の狭間

 その時、俺は、不思議な光景を目の当たりにしていた。


 それは、幼い頃に親父に叱られた日のこと、小学校の運動会の徒競走で一着になり、世界が自分だけのものになったような、あの爆発的な喜び。大学受験で合格発表を見た時の、全身を突き抜けるような高揚感と、未来への希望。そして最後に見た光景は、結衣が泣き叫びながら俺の名前を呼んでいる、悲痛な顔だった――。


「ん……。」


 そして、俺は宇宙空間のような、どこまでも広がる暗闇に漂うような不思議な空間で、静かに目を開いた。


 するとそこにいたのは、宙に浮かぶ不思議な青年。その視線は、まっすぐに俺に向けられていた。見覚えのない顔。けれど、どこか懐かしいような気もする……。


「気が付きましたか……。」


 青年は、どこか憂いを帯びた優しい顔をし、瞳は青く、茶色の髪をしていた。


「ここは…?」


 青年は、静かに口を開いた。


「ここは、遠い遠い昔に忘れ去られた者の記憶……。」


 一瞬、彼が何を言っているのか、俺には理解できなかった。


「君は…?」


 俺は不思議な青年に尋ねてみた。


「私の名は、アベル。」


「あなたの中に眠る。もう一人のあなたです。」


彼は穏やかな顔で静かに語り始めた。


「あなただけに前世の記憶をお見せします…。」


 彼の手が俺の体に触れた瞬間、俺が忘れていた記憶が蘇ってきた。それは聖地エデンの園で青年アダムの亡霊と出会ったこと、彼が話した言葉。そして、彼の前世の記憶が俺の中に入ってきた――。


 ――アダムとイブは、息子カインとアベルをもうけた後、住居から少し離れた場所に小さなほこらを建てた。その奥には、石を削って造った祭壇を、さらに奥には同じく石を削り出した石碑を配置した。石碑には、『太陽』『月』『星』あるいは彼らが重要視した『動植物』の絵などが刻まれた。彼らはそこに、収穫した作物の一部を神への捧げ物として供え、祈りを捧げる場所とした。


 祈りの作法は、両手を軽く握り胸元に添え、両膝をついて目を閉じるというものだった。神への祈りの言葉は、声に出して呟いたり、心の中で唱えたりした。


 楽園追放後、しばらく神は彼らの前に姿を現さなかったが、その後の二人の生き方を認め、やがて、度々そのほこらに降臨し、捧げ物を受け取り、語り合うようになった。


そして、時は流れた――。


 二人の息子、カインとアベルは成長し、青年となった。心優しいアベルは多くの羊を従える羊飼いに、一方のカインは父アダムから受け継いだ畑を耕す農夫となった。対照的に、アベルとは異なり、カインはどこか気性の荒い青年だった。


 その日、アベルは多くの羊を連れ、羊たちに笑顔を向けながら放牧をしていた。その頃、カインはどこで拾ってきたのか、彼の手には『賢者の石』が握られていた。彼がその石に思いを込めると、不思議な現象が起こった。石の鍬が宙に浮かび上がり、ひとりでに畑を耕し始めたのだ。そんな畑の傍らの藁の上で、彼は仰向けに寝転がっていた。顔には麦わら帽子が掛かっている。


「ったく、こんなかったるいこと、やってられるかよ。」


 彼はそう呟いた。


 父アダムがほこらで神に捧げ物をする習慣は、息子たちにも引き継がれた。アダムは半年に一度、彼らに捧げ物をするように命じていた。その日は捧げ物をする日だった。


「アベル、いいのかね…? これは君が一番大事に育てていた羊のモコだろう。」


「はい、いいんです。」


「父アダムは言っていました。神への捧げ物は、自分が一番大事なものを捧げろと。それが父の教えです。」


 アベルの瞳には涙が浮かんでいた。


「君はなんと清らかな心を持った青年なのだろうか……。」


 神は彼の行動に感心した。


「チッ! 何が一番大事なものだっていうんだ。物は物だろうが。ほらよ。」


 そう言って、カインは小麦の束を祭壇に投げつけた。


 神はゆっくりとカインに目を向けた。しばらくの沈黙の後、


「そのようなものは受け取れません。それに、君は……。」


「なんだと! 俺だって苦労して畑を耕し、収穫したんだぞ!」


 だが、神は彼を一瞥すると、羊のモコと共にゆっくりと宙に浮き上がり、静かに消えていった。アベルは涙を流していた。


 その後、羊の群れの中から、モコによく似た子羊が生まれた――



 ――その日、イブは息子アベルを連れて、緩やかな丘陵へと足を運んでいた。


「母さん、どこへ行くのですか。」


「いいから、ついてらっしゃい。」


 やがてイブは、見晴らしの良い開けた場所で立ち止まり、遥か上空を指さした。


「ほら、あれをご覧なさい。」


 イブが指差す青い空には、まるで天空に浮かぶ緑の絨毯のような浮島が、白い柔らかな雲を縁取るように静かに佇んでいた。陽光を浴びて微かにきらめくその島影は、アベルにとってまだ見ぬ、遠い故郷の面影を映し出しているようだった。


「うわー、あれは何ですか?」


 初めて目にする空の島に、アベルは息をのんだ。丸く見開かれた瞳は、信じられないものを見る子供のように、キラキラと輝いている。小さな唇はぽかんと開き、その不思議な光景にすっかり心を奪われているようだった。


「父さんと母さんは、あそこからやってきたのよ。」


 イブは優しい眼差しを、遠い空の彼方へと向けた。


「あそこには何があるんですか?」


 アベルは、目を輝かせながら母イブに尋ねた。


「あそこには、何不自由なく暮らせる楽園が広がっているの。」


「そこで、父さんと母さんは幸せに暮らしていたのよ。」


 イブは遠い過去の幸せな日々を思い出すように、胸に添えた手をそっと握りしめた。指先には、風に揺れる野花の柔らかな感触が残っているようだった。


「だけどね、私たちは過ちを犯して、こちらの地上へとやってきました。」


 イブは少し視線を落とし、足元の草を見つめながら語り始めた。


「それからの暮らしは、それはそれは辛いものだったわ……。」


 イブの声は、遠い記憶を辿るように、かすかに震えていた。柔らかな眼差しは、今はもう隣にいない愛しい人を偲ぶように、どこか寂しげだ。アベルは、母の言葉の重みに、小さな胸を痛めているようだった。


「だけど、父さんがいてくれたから、何とか乗り越えることができました。」


 イブの瞳は少し潤んでいた。しばらくの間を置いて、ゆっくりと顔を上げ、アベルに向き直った。その笑顔は、春の陽光のように優しく、瞳にはかけがえのない宝物を見つめるような、深い愛情が宿っていた。


「その苦労の末に、あなたたちが生まれてきたの…。」


「あそこでの暮らしも幸せだったけれど、こうしてあなたたちと4人で暮らす、ここでの暮らしの方がもっと幸せよ。」


 そして、イブは愛おしい息子アベルを包み込むようにそっと抱きしめた。アベルの小さな体温が、イブの心にじんわりと広がっていくようだった。


「生まれてきてくれて、ありがとう。」


「母さん……。」


 アベルは、母の温もりと優しい言葉に包まれ、まるで柔らかな光の中にいるような心地がした。


「では、そろそろお昼にしましょう。」


 そう言うと、彼女は目の前に広がる緑の芝生に腰を下ろした。足元には小さな白い花が点在し、微かな草の香りが風に乗って鼻をくすぐる。空には白い雲がゆっくりと流れ、時折、心地よい風が二人の頬を撫でていった。


 持参した籠から取り出したのは、香ばしい焼き立てのパンと、冷たくて白いミルクが入った革袋だった。イブは若い頃のアダムとの、少しおかしなエピソードを優しい声で息子に聞かせ、二人の静かな笑い声が、心地よい春の風に乗って、どこまでも消えていった――。



 しばらく何事もなく時は流れたが、ある日、事件が起きた。



 右手にナイフを持つカインの刃先から、奪われたばかりの生々しい赤い血がゆっくりと滴り落ちていた。足元には、苦痛に身を捩り震える子羊。アベルは、その小さな命を庇うように身を覆っていた。カインは、そんな痛ましい弟の姿を見下ろし、冷たい嘲笑を浮かべた。


「アベル、そこをどけ。お前がそんなに庇うそいつの肉を、俺は味見してみたいんだ。」


 アベルは首を振り、カインを見上げた。その瞳には、理解を超えた深い悲しみが宿っている。


「カイン兄さん、どうしてこんな酷いことを……。」


 アベルの声は震えていた。


 弟アベルばかりが神に褒められるのを、カインは耐え難く憎んでいた。鬱積した感情の捌け口として、彼は事あるごとに優しい弟を虐げ、己の欲望のままにこき使ってきた。「羊肉が食べたい」という言葉は、真の目的ではない。それはただ、純粋な願望、弟アベルの純粋な心を踏みにじることだけだったのだ。


「いいから、そこをどけ!兄の命令が聞けないというのか!」


 カインの声は、残酷さに満ちていた。


 アベルの瞳から、大粒の涙が溢れ出た。


「お願いだよ、兄さん……なぜ、こんな小さな命を奪うんだ。僕たちには、大地の恵みである野菜があるじゃないか……。」


 いつもどんな無理難題にも従ってきたアベルの、この懇願は痛切だった。


「なんだと!兄に逆らうのか!」


 カインの怒りが爆発した。彼は握りしめたナイフを残酷に突き出した。アベルは、不意打ちに身を竦ませ、避けようとした。その瞬間、カインに突き動かされた憎悪と、アベルに突き動かされた恐怖が激しくぶつかり合い、二人は粗暴にもみ合いとなった。


「やめてくれ……!」


 アベルの悲痛な叫びは、カインの怒りに掻き消された。兄は、強くアベルの腕を掴み、残酷に振りほどこうとした。その時、カインの衝動のままに動いたナイフが、予期せずアベルの柔らかな腹部深くに突き刺さり、赤い色で布を染めた。


「う……っ」


 アベルの口から短い呻きが漏れた。彼は、まるで壊れた操り人形のようにその場に両膝をつき、目の前が暗くなった。


「な――!!」


 カインに突き動かされた戦慄が顔を歪めた。彼は、本当に殺すつもりはなかった。しかし、取り返しのつかない過ちが既に起こってしまった。アベルは、自身の腹部を両手で無力に押さえた。その白い指の間から、熱く濃い血が、まるで咲いた赤い花のようにゆっくりと滴り落ちていく。そしてアベルは、血を流す傷を庇うように、倒れている子羊の上に力尽きたように覆いかぶさった。


「メェェェ……。」


 弱り果てた子羊の、か細い命の声が、静寂に包まれた羊小屋に悲しく響いた。


 アベルの清らかな瞼が、ゆっくりと閉じられた。彼の唇からは、もう息は漏れない。彼の周りには絶対的な静寂が支配し、まるで死そのものが息を潜めているかのようだ。驚くほど穏やかな表情の彼の白い頬には、ダイヤモンドの涙の透明な跡がゆっくりと乾いていった……。


 そこへ、夕焼けの名残のような赤みを帯びた光が、羊小屋の隙間から一条差し込む中、母イブがやってきた。


「あらあら、どうしたの?二人ともそんなに大きな声を出して。」


 埃っぽく乾いた藁の上に、鮮血で赤黒く染まった一箇所。その上に、まるで壊れた人形のようにうつ伏せになっているアベルに、イブは目をやった。


「まあ!アベル、どうしたの!」


 彼女は慌てて駆け寄り、息を切らせながらアベルの体を抱き起こすように支えた。夕焼け色の光を浴びて、アベルは仰向けになり、開かれた瞳は焦点を失い、力なく、ただ静寂を映している。


「アベル、怪我をしたのね……。」


 生温かい血が、アベルの腹部からじわりと流れ出し、白い衣を深紅に染めていく。それを見た母イブの声は、震えた。


「大丈夫よ……こんな傷、すぐに治るわ。」


 重い足音を立てて、父アダムがやってきた。彼の顔には、戸惑いと焦燥の色が浮かんでいる。


「なんだね、騒々しい。」


 変わり果てた息子の姿を抱きしめ、必死に呼びかけるイブの姿が、彼の目に飛び込んできた。夕闇が忍び寄る中、羊たちの微かな鳴き声だけが、静かに響いている。


「あなた、アベルが動かないわ!早くお薬を!」


 父アダムは、まるで石像のようにその場に立ち尽くした。足元の乾いた土が、彼の重さに軋む。


「大丈夫よ、アベル……父さんが来てくれたわ。」


 かすかに震える声で、母イブは縋るように言った。心配の色を深くした顔を、青白いアベルの頬に向け、ほんのわずかな希望をそこに探すように。


「どうしたの……?あなた。早く、アベルにお薬を持ってきて!!」


 父アダムは俯き、固く目を閉じた。夕焼け色の光が、彼の震える拳を赤く染めている。羊小屋の乾いた匂いが、一層強く感じられた。


 ゆっくりと、まるで重い枷を外すようにイブに向き直ると、彼は静かに、しかし足元がおぼつかない様子で歩み寄り、跪いてそっと彼女の震える肩に手を添えた。彼の指先は冷たい。


「アベルはもう……息をしていない。」


 絞り出すような声で、彼は小さく囁いた。


「え……?どういうこと……?」


 彼女は、温もりを失いかけた息子の亡骸を抱きしめ、全身をわなわなと震わせた。夕闇が、二人の間に深い影を落とす。



「これが、神が言っていた……死だよ。」



 その言葉を聞いた瞬間、イブの顔からすべての赤みが失われた。


 彼女は信じられないものを見るように目を見開き、眉を深くひそめ、凍てついた瞳の奥から、熱いものがじわりと溢れ出した。半開きの唇からは、乾いた息だけが漏れる。頬には、後を引くように一筋の涙がこぼれ落ちた……。


「そんなの……嫌よ……!」


 堰を切ったように、大粒の涙が彼女の頬を濡らし、アベルの冷たい体に落ちていく。彼女は必死に、縋るようにアベルの体を揺さぶった。


「お願い……起きて!アベル……!」


 何度も何度も、壊れた玩具のようにアベルの体を揺さぶるイブ。喉の奥から絞り出すような嗚咽が漏れ始めた。


「うあああああ……!」


 悲痛な叫びが、狭い羊小屋の空気を震わせる。夕闇の中で、彼女の慟哭だけが響き渡る。


「私のアベルが……!うあああああ―――!」


 それから、夜が明け、また夜が来るまで、彼女は三日三晩、枯れることのない涙を流し続けたという。羊小屋には、時折、弱った子羊の悲しい鳴き声だけが響いていた――



 ――神の威厳に満ちた声が、静まり返ったほこらに重く響いた。イブは、まるで縋るようにアダムの衣を握りしめ、その華奢な肩を絶え間なく震わせている。アダムは、愛しい妻の悲しみを一身に受け止めるように、優しくその背を支え、遠い空を見つめていた。


 一方、カインは、両親から切り離されたように、祭壇の陰で一人、所在なげに立っている。彼の足元には、先ほどまで激しい感情が渦巻いていたことを示すように、砂がわずかに乱れていた。


「カインよ。なぜ、あのような血なまぐさい所業に手を染めたのか、答えるのだ。」


 神の言葉は、研ぎ澄まされた刃のようにカインの心に突き刺さる。


「いや……あれは、その……事故だったんだ。」


「俺だって、まさか本当に殺すつもりなんてなかった。あいつだって、兄である俺に口答えなんかするから、揉み合いになったんだ。」


 アダムは、息子の言葉を一言一句逃すまいと、眉間に深い皺を刻みながら聞き入っている。彼の瞳の奥には、息子を案じる父親としての苦悩と、事件の真相を知りたいという切実な願いが入り混じっていた。


「それから、大騒ぎし過ぎなんだよ。死んだんなら、また新しいのを作ればいいだろう?今度はあんな弱っちい奴じゃなくて、もっとこう、屈強なやつをさ。」


 カインの信じられない言葉が、ほこらの静寂を切り裂いた。それを聞いたイブは、堪えきれずに顔を両手で覆い、喉の奥から絞り出すような嗚咽を漏らした。


「ああ……!この子は、なんてことを……!私の愛しいアベル……ううう……。」


 アダムは、今にも崩れ落ちそうなイブをしっかりと抱き寄せ、その震える背にそっと手を添えた。彼の表情は石のように固く、深い悲しみを押し殺しているようだった。


「うむ……。一度失われた尊い命は、決して 戻ってこない。」


 神の声は、低い声で、カインの心に重い荷物を置く。


「だが、カインよ。お前は 今や、二度と農夫としての務めを果たすことはできぬ。」


 カインは、 予期せぬ宣告に、驚愕の表情を隠すことができない。


「な、なんでだよ!」


 神は、カインの問いかけに、穏やかな視線で向き合った。


「そなたの魂は、重い呪いに侵されてしまったのだ。お前の両手が土に触れても、作物は大地の力を拒絶し、決して実を結ぶことはないだろう。」


「作物の枯渇は、この地の生命線を断ち切り、深刻な食糧危機を招くことになる……。」


 カインは、突然の知らせに顔面蒼白になり、自分の両手を不安そうに見つめた。まるで、そこに目に見えない病が宿っているかのように。


「さらに、呪いの強烈な影響は、そなたに近づく者すべてに、避けられない不幸をもたらすだろう。」


「それは、私の力をもってしても、もはや どうすることもできない。」


「じゃあ、俺はこれから一体どうすればいいんだよ……!」


 カインの全身は、隠された震えに襲われていた。未来への不安と絶望が、彼の 内なる世界を ゆっくりと侵食していく。


「お前が生きる道は、この地を離れ、ノドへと向かう以外には残されていない。」


 ノド――その言葉は、 古代ヘブライ語で『さまよう』、『放浪する』、『安住の地を求めることなく逃げ続ける』という意味を持つ。神の宣告は、カインに未来のない、終わりなき旅を強いるものだった。


「――その 不確かな道の果てで、己の手で 呪いを解く 唯一の手段を探し出すのだ。」


「だが、 呪いを受けたお前の手は、二度と 肥沃な大地を祝福することはない。故に、その旅路は、想像を絶する苦難に満ちたものとなるだろう。そして、次々と襲いかかる呪いによる災厄が、お前の惨めな人生をさらに重いものにしていくのだ。」


 神の衝撃的な言葉は、 カインの口から言葉を奪い、彼の意識を麻痺させた。彼は、まるで石の偶像のように、ただ立っていた。


「ふざけるな!一体なんでこんな目に遭わなきゃならないんだ!元を辿れば、あんな弱っちい弟が悪いんじゃねえか!」


「ああ、わかったよ!ノドだろうがどこだろうが、勝手にするさ!」


 激高した カインは、捨て台詞を吐き捨て、激しくほこらを飛び出した。彼の背後には、黒く 不透明なオーラが立ち昇り、 彼の内なる闇を視覚的に示していた――。



第十五話 完

第十六話に続く

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