闇は眩く

あらすじ
　高校受験の失敗から全ての自信を失った蔓正道（かずらなおみち）は、両親の期待にから逃れるため、寮のある私立の高校に入学する。
　明るいルームメイトである佐島綾也（さしまりょうや）との出会いを経て、人と関わることに抵抗がなくなってきた頃、二年生で理事長の息子だという日延清光（ひのべきよみつ）と出会う。
　清光は、生真面目な正道に目をつける。その自他ともに認める美貌と、尊大な態度で注目を集める清光には、過去に付き合っていた男性を、自分の浮気で精神的に苦しめた過去があった。
　これは、互いの中に救いを求めて一緒にいるようになるふたりだが、高校を卒業した彼らが、一緒に歩む人生は存在せず、まるで蛍の光のように淡く消えてしまう恋心の揺れを描く物語である。