月上の君へ

「例えば、明日僕に翼が生えたとして、君はどうする」


「どうするもなにも、僕が君に会う前に、君は飛び去って行くだろう、窮屈な病院から離れようと」


「そうだね、まさに。何処か眺めの良い場所を見つけて、そこで眠りたい」


「君の願いが叶わん事を」



翌日、彼は昨日の宣言通りに飛んでいた。


咲き誇る月下美人のように、地に伏せている君の背に、僕は真白の翼を見た。


美しい君に、幸多からんことを。


僕の恋も、連れてゆけ。

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