〜第九話〜
数日が経ち、彼方が死ぬまで残り2日となった。しかし、永太は冷静だった。なぜなら、今回はしっかりと作戦を練っているからだ。永太は、自分の部屋で静かに作戦を振り返る。
まず、悩み所だったが、永太は結局彼方が死ぬ前日は彼方の家で過ごすことにした。また、健太と優斗も誘い前回と全く同じ流れにする。なぜそうするのかというと、彼方の動きが分からなくる可能性もあるからだ。前回はおそらく朝に殺されていたが、本当なら夜に殺されていた可能性もある。
次に、彼方のランニングだが、そもそも自分が起きられなければ話にならない。そのため、スマホで5時にアラームをセットする。なぜこんなに早いのかというと、前回朝起きた時に確認した時間は6:33となっていたからだ。彼方がいつランニングに行っているか分からない以上、下手に6時などにアラームを設定して間に合わなければ助けることができなくなってしまう。
そして、彼方のランニングだが、止めるより一緒に行く方が良いと考えた。ランニングといっても別に止まってはいけないわけではないだろう。仮に永太が止まっても、彼方も一緒に止まってくれると考えたのだ。
そんなことを考えていると、永太の頭の中に疑問が一つ浮かんできた。
「なぜ、過去に戻る前は死体が見つかっていなかったのだろうか?」
山の奥にあり、しかも埋められているので警察は見つけることができなかった。そう考えてしまえば腑に落ちるが、なんだか違和感があった。それに、彼方が山へ行っているのを見ていた人がいたはずだ。しかし、その違和感の正体を永太はいくら考えても知ることはできなかった。
「分からないんじゃしょうがない。明日明後日に備えて今日は早めに寝ておこう」
そう自分に言い聞かせ、永太は眠った。
そして、翌日。
永太は学校を終え、健太、優斗と彼方の家に来ていた。前と完全に一緒、とまではいかないものの、殆ど近しい会話をする。
特に前と変わるようなこともなく、夜が来る。ここからが勝負だ。
永太はスマホの画面を確認する。そこには22:47と表示されていた。
スマホのアラームの設定画面を開き、予め設定しておいた5:00と表示されているアラームをONにする。
これ以上は特にすることもないので、永太は寝る準備をする。
そして、ただ1人の為に過去を変える挑戦が始まる...
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