〜第七話〜
何度も確認をしても、そこには6月4日と表示されている。
「まさか、また過去に戻ったのか...?」
永太は混乱をしながらも、確かな希望を抱いていた。本当に過去に戻っているのなら、今回なら彼方を助けられるかもしれない。いや、もしかしたら彼方を助けるまで、このループから抜け出せないのかもしれない。そのようなことを思っていると、部屋の外から声が聞こえてきた。
「永太〜?そろそろ下に降りてこないと学校に間に合わないわよ?」
母さんの声だった。永太が急いで時間を確認すると、時間は7:50となっていた。いつもだったら朝食を食べている時間だった。
「すぐに行くよ!」
そう返事をしながら、制服へと着替える。リビングへと向かい朝食を急いで食べ、足早に学校へと向かう。なんとか学校へ行くのは間に合った為、安心した。
しかし、学校では特に情報を集められないことを知っているので、永太は学校にいる間は彼方を助ける方法を考えることにした。前回のループでクラスメイトの情報は意味がないと分かっていたので、安心して考えに集中することが出来た。
家へと戻り、永太は考えを整理する。永太は彼方を助ける方法を3つ考えた。
一つ目は、彼方を家から出さないようにすることだ。だが、それはハードルが高い。なぜなら、前回のような流れで行くとすると、彼方の家で朝を迎えることになるからだ。彼方の親は、彼方が朝に散歩に行くのを「日課」と言っていた。つまり、すぐに戻ってくるから〜的なことを言われて、止めることができない可能性があるのだ。
二つ目は、彼方の散歩とやらに付いていくことだ。これなら、部屋から出るのを止められなくても彼方を見ることができる。それに、彼方も断る理由がないだろうと考えたからだ。しかし、これにも問題がある。彼方の親は、散歩と言っていたが、おそらく彼方はランニングをしているのだろう。なぜだか理由を説明は出来ないが、なんとなくそう思った。彼方は、持久走で1.2位を争うほど体力があるのだ。自分が疲れて、彼方を見失う可能性がある。そうなってしまえば、意味がなくなってしまう。
そして最後は、彼方の家の玄関の鍵を壊すことだ。しかし、これは最終手段として残して置きたいと思っている。なぜならもしそれで彼方が生き残れたとしても、迷惑となってしまうからだ。それはできるだけ避けておきたい。どうしようか迷っていると、健太からメールが来た。
「そういえば、遊びに誘われるんだったな。すっかり忘れてた」
特にすることもない為、永太は準備をした。準備をしている途中、永太はあることを思いついた。なぜ彼方が山へ行ったのか、それとなく聞こうと考えたのだ。
「よし、行くか」
準備が済み、時間も経ったので永太は駄菓子屋へ向かうことにした。
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