〜第二話〜

「あれ、あの服中2の時にはなかったんだっけな」

引き出しを開けながら、永太は呟く。探しているのはお気に入りの服なのだが、一向に見つかる気配がない。

「仕方ない。他の服で行くとしよう」

しかしそうは言っても、健太達と会う約束をした時間は1時間後。特にすることもないので、今までの出来事を整理することにした。


約束の時間の10分前になったので、永太は外へ出た。場所はいつも行っていた駄菓子屋の前だ。少し遠い所にゲーセンがあるが、中学生の頃は自転車を持っていなかったので、よく駄菓子屋の前へ集まっていた。

駄菓子屋へ着くと、優斗が既にいた。

「他の2人は?」

「まだ来てないらしい。もう約束の時間になってるのにな」

自分のスマホを見ると、そこには17:30と表示されていた。

「まぁ、気長に待とうぜ」

正直、まだ全ての出来事を整理できていなかったので、この時間はありがたかった。

少しすると、健太と彼方が一緒に来た。

「悪りぃ、遅れた。」

「健太はともかく、彼方が遅れるなんて珍しいな」

「まあ、色々とあってな」

久しぶりに彼方とあった。そして、とても嬉しかった。

「永太、なんでそんな嬉しそうな顔してんだ?」

彼方に言われ、ハッとする。

「いやいや、ちょっと昨日のこと思い出してただけだ。昨日やってたテレビ番組が面白くてよ。そんなことより早く駄菓子屋に入ろうぜ!」

その後は、駄菓子屋で食べ物を買い公園で遊んだ後帰った。

家に帰った後、冷静になり改めて過去に戻ったのだと実感した。

しかし、浮かれている気分ではない。なぜなら、彼方が行方不明になるのは1ヶ月後だからだ。最大限注意をして過ごさなくてはならない。そんなことを思いながら眠りについた。


翌日

「さて、少しだけ冷静になってきたし、本格的に彼方を救う方法を考えよう」

俺は自分に言い聞かせるようにそう呟いた。

学校へ行かず、考え続ける。というのも考えたが、彼方の情報は少しでも欲しいので学校へ行かないのは論外だ。

現在の時刻は6:50となっている。ゆっくり考えられる時間は多くても40分程だろう。

時間はまだある。頭では分かっていても、焦ってしまう。

結局、何も思いつかないまま学校へ行く時間となってしまった。

時間はまだある。そう自分に言い聞かせ、学校へ向かうことにした。

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