“寄り添う”という選択が、こんなにも強く、優しいものだと感じさせてくれたる作品です。
そして、わずかな感覚や思い出のある場所、好きだったもの――カイとの過ごす時間の中で、あらゆる点から少しずつレンが緩やかに葛藤していく描写が丁寧で、胸に残ります。
オラクルという巨大な支配構造の中で、自我を失わずにいようとする人間たち。
自我を書き換える従者のシステム。
されど歩み寄る。
その姿が、どんな抵抗よりも温かい。
そして、希望という言葉が似合わない世界の中で、彼らの“相棒としての在り方”が唯一の希望に見えてくる。
取り戻すためのバディモノ作品、胸熱です。