第4話 少女と美少女の初めて?「友達・・・?」

霧ヶ峰中学 昼休み・・・個別指導室

三人の姿がそこにあった


メグ先生が重い口を開く・・・

「まさかここまでの騒動になるとは思っても見なかったわ」


ツクモが重い口を開く・・・

「まったくだぜ 瞬く間に広まったな学校全体に・・・」


うつむいたまま ツクヨが重い口を開く・・・

「なっ 何でみんなは私の事 ジロジロみるのかなぁ・・・

やっ やっぱり私って変なのかなぁ 何処かおかしいのかな?」


二人が顔を見合わせ深いため息を付く


「はあぁ~」



ツクモが事実を告げる

「ツクヨ お前は変ではない おかしくもない

ツクヨ お前はかわいい そして美人だ・・・

だからみんながツクヨを見る・・・」


困り顔のツクヨ 

「ウソ ツクモはウソつきだよ・・・

私が困ったときに 励まそうとする ウソ・・・」


語気を強める ツクモ

「ウソではない! お前はかわいい そして美人さんだ!」


目に涙を貯めながら今にも泣きだしそうな ツクヨ

「ウソだよ・・・私 可愛くなんかない 綺麗じゃない

ツクモはホントに・・・ウソつきだよ・・・」


「私 知ってるんだから ツクモが真夜中にしてる事・・・」


衝撃の告発・・・焦る ツクモ

「なっ なにぃ~~~!?」


含み笑いの メグ先生

「ムフフっ」


メグ先生をにらむ ツクモ

「その含み笑いをやめろぉ~」


大粒の涙をボロボロと流しながら 淡々と語りだす ツクヨ


「あなたはいつも言ってるでしょ・・・

萌えぇ~とか かわいいとか 俺の嫁ぇ~とか・・・

あなたはいつも叫んでたでしょ・・・

けしからんっ 全くもってけしからん・・・

何がけしからんのか 私には意味が分からないよ・・・」


「ピンクの髪色 活発的で日焼けした肌 

大きな胸を震わせて プリプリしたお尻の女の子が・・・」


「そんな女の子が ツクモの好みなんでしょ

ゲームに出てくるキャラクターが ツクモのお嫁さんなんでしょ」


唖然とする ツクモ 心の中で

(コイツは何と戦っているんだ・・・?)


今にも泣きだしそうになる ツクヨ

「私は黒髪で 色白で・・・

胸も揺れないし お尻も小さいから・・・」


もらい泣きする メグ先生

「うぅ・・・可哀想な ツクヨたん・・・」


「でも大丈夫 あなたは100点満点中120億点の

かわいい美少女なんだから・・・」


メグ先生をキリっとにらむ ツクヨ

「おっぱいもお尻もプリプリの先生に

慰めてなんか ほしくない・・・」


大ショック&大ダメージ!!! 石のように固まる メグ先生

「ガぁ~~~ん!!」


大号泣! ギャン泣きの ツクヨ

「うわぁぁぁぁぁぁぁ~ん! ウソつき みんなウソつきィ~

ツクモも先生も ウソつきィ~!!

私なんて かわいくないもん・・・」


「帰りたい・・・家に帰りたい・・・

お家に帰って 本が読みたい・・・」


あたふたする メグ先生

ため息を付く ツクモ 頭の中で思考を巡らせる


(はあぁ~ウソなんて言ってないんだけどなぁ~

かわいいし 綺麗だし 生きてるだけで人生勝ち組だぞぉ

ほっといても周りが持ち上げてチヤホヤしてくれる・・・

うんっ? チヤホヤ・・・チヤホヤ?)


衝撃の事実に気付く ツクモ


(ツクヨは俺以外の人間に 甘えることを知らない・・・)


(だよなぁ~ 一族の里 スパルタ教育・・・

同年代の話し相手は幼なじみの 俺だけ

俺にくっついて離れないのもある意味 納得・・・)


(ならば突き放せばいいんじゃね?  ほったらかしても・・・

そうだよ 周りはみんな中学生 それなりに大人だ

小学生のかわいい子大好きモンスターとは違う)


(大丈夫 問題ない 

ツクヨが振り向けば思春期の男子は 直立不動

ツクヨが話しかければ年頃の女子は 憧れをときめきに

そうだよぉ~勝手にチヤホヤされるだろぉ~

友達なんて余裕の楽勝・・・ならば・・・

ここはひとつ 心を鬼にして・・・)




机を「バーン」と叩き厳しい表情の ツクモ

ツクヨに言い放つ


「いつまで泣いてるんだ ツクヨ

わがままもいい加減に・・・

そんなに本が読みたかったら図書室にでも行ってきなさぁ~い」


肩をビクりとさせ驚く ツクヨ

「ひっ? ツク・モ?」


続ける ツクモ

「俺も忙しいんだ この貴重な昼休み

クラスに戻っていろんな奴と話がしたい 友達を作るために」


横隔膜の痙攣 しゃっくりをしながら言葉を押し出す ツクヨ

「っ・と・も・だ・ち・?」


ツクヨを諭す ツクモ

「お前にも出来るから 友達」


ウジウジする ツクヨ

「っ・無理だよ・私・・・」


業を煮やした ツクモ もう一度机を「バーン」と叩き

怒っている演技をする

「甘ったれるんぢゃ ありませぇ~ん!!

わかったよ わかりましたよぉ~

いいですよ もういいですよ~

知りませんから もう知りませんからねぇ~」


中学生にもなって メソメソ泣いているツクヨさんとは

しばらく口もきいてあげませぇ~~~ん!!」


ギャン泣きとマジ泣き・・・顔をクチャクチャにしながら ツクヨ

「びぇぇぇぇぇぇぇ~ん うわぁぁぁぁぁぁぁ~ん

ヒッぐっヒッぐっ・・・ツ・ク・モぉ~・・・」


ツクヨの泣き顔に 胸を締め付けられるような?・・・

新たな快感?・・・に似たものを植え付けられた メグ先生

「っつくよたん つくよたん べへへへ~♡」


可哀想と思い一瞬引いてしまうが 語気を強める ツクモ

「なっ 泣いても知らないもんねぇ~ん!

ダメなんだから ごめんなさいしても

口きいてあげないからねぇ~ん!」


「仲直りしたかったら 友達作って俺に紹介するのねぇ~ん

そしたら口きいてあげるのねぇ~ん」


再び泣き出す ツクヨ

「ふえぇぇぇぇぇぇぇ~ん」


席を立つ ツクモ 少しのイジワル・・・

「それじゃぁ俺はクラスに戻るのねぇ~ん

話してみたい女の子も何人かいたのねぇ~ん」


「それから嫌になって家に帰るのはナシなのねぇ~ん

大ババ様が 悲しむのねぇ~ん」


「先生・・・後は ヨロシクなのねぇ~ん」


大ババ様と言うワードに泣き止む ツクヨ

「・・・・・・・」




「ガラガラガラ パタン」静かに出ていく ツクモ


メグ先生・・・ツクヨに声をかける

「図書室 行きましょうか・・・」


コクリと首を縦に振る ツクヨ






メグ先生に連れられて 初めての図書室

大量の本が並ぶ光景に心ときめかせる ツクヨ

少しの笑顔が戻る


ホッとする メグ先生

「本当に本が大好きなのね」


小走りで室内を回る ツクヨ

興味のある物を一冊 また一冊と胸に抱えてゆく


トコトコと可愛らしく本を抱え歩く ツクヨの姿に

盲目の愛の矢がメグ先生のハートに「ズキューン」っと突き刺さる


メグ先生・・・妄想爆発!!


「素晴らしい なんて素晴らしく愛くるしい姿

これを素晴らしいと言わず なにが素晴らしいのよぉ~」


「泣きじゃくるツクヨさんも 儚く 悲しく とても切なくて・・・

私の癖を 私の知らない新しい何かを目覚めさせて しまって・・・」


「でも・・・その笑顔 その笑顔がぁ・・・

私の心臓を焦がし 突き動かし 

盲目の愛へと全力疾走させてしまうのよぉぉぉぉぉぉぉ~~~!!」


強烈な脳内麻薬にトリップしてしまう メグ先生 よだれをじゅるっと


「アっハぁ~!? 脳がぁ 焼かれりゅぅぅぅ~!?」


「たまらん バチくそたまらんっっっ

撮りたい バチくそ撮りたいぃぃぃ

最高の機材 最強のレンズ 私の写真技術の全てをかけてぇ~」


「あなたの美しさの全て・・・

一瞬を 永遠に残すため・・・

私は 人差し指で 時を止める!・・・」


「がっはぁっはぁっはぁぁぁ~ 

それでこそ我が野望!!! それこそが我がカメラ人生!!!」


「そのためには彼女を私の手の近くに

置かなくてはならないの だが・・・

そのための写真部! そのための楽しい部活!」


「必ず 必ず 入部させなくては・・・

グへぇ・グへぇへぇへぇへぇへぇへぇへぇっ・・・」


妄想の中 周りが騒がしいことにイラつく メグ先生

「って なんか騒がしいわね まったくもぉ~

人がせっかく気持ちよくなってるのに・・・」


後ろを振り返り驚く メグ先生

「なんじゃこりゃぁぁぁ!?」


前代未聞 満席の図書室 人があふれてる

ツクヨの噂を聞きつけ 入り口にも黒山の人だかり

押すな押すなでごった返してる

全員の視線が ツクヨに集中


オドオドしてしまう ツクヨ

そのツクヨを背中に隠し守ろうとする メグ先生

「出入口を塞がれている・・・マズい・・・」


辺りを見回す メグ先生 

関係者以外立入禁止の張り紙を見つける 

とっさにツクヨの手を取り

その部屋に飛び込む!






図書備品室


新刊と古書の並ぶ部屋


一人の少女の姿・・・

ワタラセ アイラが困り果てた様子・・・

入って来た メグ先生に声をかける


「先生どうしよう 私ドキドキしちゃって」


一息ついた メグ先生

「ワタラセさん? そっかぁワタラセさん図書委員だもんね」


事の経緯を説明する アイラ

「私今日当番だから 貸し出しの業務してたけど・・・

先生とホウショウさんが来てから

沢山の人が集まって図書室に入って来たから

私ビックリしちゃって 怖くなっちゃって・・・」


メグ先生 アイラに謝る

「いやぁ~ごめんね 驚かせちゃって・・・」




落ち込み泣き出してしまう ツクヨ アイラに謝罪する

「ごっごめんなさい ごめんなさい 

私のせいで迷惑かけてしまって 本当にごめんなさい」


フォローを入れる メグ先生

「違うから ツクヨさんは悪くないから・・・

大勢で集まるみんながいけないんだから・・・」


泣き止まないツクヨの前に ハンカチを差し出す アイラ


「ぷっ・・・ぷりーず」


片言の英単語 何故かツクヨの耳には心地よく響いた

こくりとうなずき ハンカチを受け取った


「・・・」


胸をなでおろした 少しうれしくなった アイラ 語りかける


「どんと・くらい どんと・くらい どんと・くらい・・・だよ」


アイラの笑顔 たどたどしい発音 自分より背の低い少女の

思いが ツクヨの心を落ち着かせた


「ありっ・・・サンキュー・・・」


メグ先生 何かを察する・・・

「ワタラセさん 少しお願い 私はみんなを解散させてくるから」




備品室を出ていく メグ先生


二人きりの備品室・・・

お互いが目を背け 顔を見れないでいた


窓から差し込む 春の日差しと優しい風

その光と風は ツクヨの黒髪を揺らし艶艶と照らしていた


アイラ 見とれていた 思わず口にしてしまった・・・


「綺麗・・・」


ハッとする ツクヨ 恐る恐る アイラの目を見る


「・・・・・」


ハッとする アイラ 恐る恐る ツクヨの目を見る


「・・・・・」


沈黙の中 お互いの視線が重なった




頭の中をフル回転 知る限りの英単語を並べて

勇気を振り絞る アイラ ツクヨに誉め言葉を・・・


「ゆーぶらっくろんぐへあーびゅーてぃふる べりーびゅーてぃふる」


目を丸くする ツクヨ 少し照れ笑う


「サンキュー」


表情を読み取り 言葉が通じることの喜びが自信となり

コミュ症の自分を忘れてツクヨを誉める アイラ


「ゆーすまいるちゃーみんぐ べりーべりーちゃーみんぐ」


照れ笑いが溶けてゆく ツクヨ

懸命なアイラの言葉に・・・


「サンキュー」


うれしくなる アイラ 日本語では面と向かって話せないことも

英単語では恥ずかしくないことを知る

身振り手振り ボデーランゲージ・・・


「ゆーすたいるきゅーと べりーべりーべりーきゅーと」


自信を持てなかったスタイル・・・

驚きうれしくなる ツクヨ 笑いながら


「OH! リアリー?」


リアリー?の単語に?マークの アイラ


「リアリー?は確か・・・ホントに?だから・・・

ホントにホント いえぇ~す いえぇ~す」


アイラのボディーランゲージが面白かったのか

クスリと笑う ツクヨ


アイラも笑う ニコリと笑う

「あいあむはっぴー べりーはっぴー

かーにばるあんどふぇすてぃばるぅ~」


ツクヨに伝わる アイラの気持ち

声を出して二人で笑った・・・




仕切り直す アイラ

「まいねいむいず アイラ ワタラセ

あいらいく ぶっく あいらいく ぶっく」


やさしい顔つきの ツクヨ

「イエス・ミートゥー」


楽しく時は過ぎるが 英単語のネタに尽きてしまう アイラ

日本語を交えながらの会話になってしまう


「えっと 英語を教えては 

すたでぃーいんぐりっしゅ? 何だっけかなぁ~?」


言葉の意味を理解している ツクヨ

「OK!」


楽しいやり取りが続く 二人にとって初めての出来事・・・


アイラがふと思う・・・友達になれたらと・・・

少しトーンダウンの アイラ


「えっとね あのねっ ツクヨさん・・・

友達?・・・ふれんど?・・・

あぁ~もう英語で友達になってくださいは何て言ったらいいのかなぁ?」


その言葉の意味を理解した ツクヨ 


うれしくて泣きそうになる


そしてゆっくりと 右手を差し出そうとした・・・




「ごめぇ~ん お待たせ チョット手間取っちゃったかなぁ~」

メグ先生 タイミングを外す

(あちゃ~お邪魔だったかなぁ~)


急いで右手を引く ツクヨ

急にモジモジする アイラ

いつもの二人に戻ってしまう・・・


昼休み終わり5分前のチャイムが 学校中に鳴り響く


教室に戻る 三人の姿・・・アイラの前を行くツクヨ

気にかけて後ろをチラッと見るがアイラは下を向いたまま・・・




自分の席に着く アイラとツクヨ


クラスでは ツクモを中心にゲームやアニメ・マンガの

話で盛り上がっていた


戻って来たツクヨに対して一人の男子生徒がツクモにお願いをする

「クサナギくん通訳頼むよ 

ホウショウさんはどんな男子がタイプですかって」


一斉に盛り上がる男子


ツクヨをチラ見する ツクモ 頭をかきながら・・・


「めんどくせぇ~なぁ~ 

せっかくほかの話題で盛り上がってんだから

もっとみんなの興味ある事 教えてくれよぉ~」


あえてツクヨを無視する ツクモ


一人の女子が興味津々 ツクモに質問

「じゃあさぁ クサナギくんのタイプってどんな人?

好きなアイドルとかぁ~いるのかなぁ~♡」


照れる ツクモ

「おっとぉ~ いきなりですかぁ~♡」


ツクヨに衝撃が走る 心の中の葛藤・・・

(ヤダ! ダメ! 聞きたくない・・・ツクモのそんなこと

聴きたくない・・・悲しいよ・・・泣きたいよ・・・)


泣いちゃうのかな? 私・・・ツクモはわざと無視してるし

泣いちゃうのかな? 私・・・ツクモは口きいてくれないし




ゆっくりとツクモに視線を向ける ツクヨ

体をのけぞらし今にも話し出しそうなツクモ・・・その向こう

隣に座る ワタラセ アイラと視線が重なった・・・



机を「バン」っと叩き ツクモの後ろを素通り

アイラの手を引き ツクモの前に立つ・・・


深呼吸・・・静まり返る1年A組・・・

ありったけの勇気を ツクモにぶつける



「ワタラセ アイラさん・・・

わたしの わたしの・・・私の友達ですぅ!!!」 




突然の出来事に 椅子から滑り落ちる ツクモ


「はっ・・・はいぃぃぃ」


どこからともなく 拍手がわく

陽キャの男子からの 友達コール!

一斉の大合唱!!!

「ともだち!・ともだち!・ともだち!・ともだち!」

その光景に 涙する メグ先生


ドキドキが止まらない ワタラセ アイラ

「ツクヨさん ありがとう

わたし ドキドキが止まらない・・・」




アイラの手を強く握る ツクヨ 

何かが膨らむ 違和感に気付く・・・



(ウソ? どうして・・・? 何でアイラさんが・・・?

言霊の卵の持ち主なの・・・・・?)




第五話  学園物のお約束!?上級生からの呼び出し!

「ツクモの余裕?ツクヨの自動迎撃古武術」につづく




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