第5話 ヨモツへグイ (第2回ディストピア飯小説賞・落選作)
辺境の惑星ハーデス――
僕たちが乗る探査船オルペウスはこの星へ向かっている。当初はこの星へ寄る予定はなかった。しかしエンジンの故障によって、オルペウスは予定軌道を外れてしまい、惑星ハーデスの引力に引き込まれてしまったのである。
辻隊長が救難信号を発信しているが、一向にどこからも応答はない。
操舵手の久保は最早諦念を示しており、舵輪を手放し自動操縦に切り替え、ハーデスの誘導引力に船を委ねていた。この探査船には専任の航海士はおらず、航路の選定等は全てコンピューターが担当していた。
僕ともう一人の乗組員、町田春彦はただ顔を見合わせることしかできなかった。僕らは研究員であり、町田の担当は言語と考古学、僕の担当は生物学全般でその星の動植物を調べることである。宇宙船の航行に関しての知識が全くない訳ではないのだが、この道三〇年の大ベテランだと本人も自負する久保の、あの態度を見てしまうと絶望しかなかったのだ。
探査船はどんどんハーデスへ近づいていく。まるで魔眼に魅入られたように、星へ吸い込まれていった。ハーデスの周辺にはケルベロス1、ケルベロス2、ケルベロス3という三つの衛星がある上に、番犬の
大きな波音を立てて、オルペウスは海に着水する。空も海も一面、灰色だ。ハーデスという名に相応しく、まるで死の世界のようだ。
何が、〈ようだ〉だ。
このまま誰も助けに来なければ、僕たちに待っている運命は死のみである。無論エンジンは故障したままなので、オルペウスは死の海を無為に漂流することしかできない。
「平坂、大気チェックを頼む!」
辻隊長が僕に命じた。宇宙服を身に着けたまま、僕は甲板に出た。
鈍色の世界の中には僕ただ一人。一気に孤独感が襲って来る。孤独感に加えて見知らぬ星への畏怖と恐怖から、大気のサンプルを採取して僕はすぐに船内に戻った。結果、窒素が八割、酸素が二割と、地球の大気組成と大きく変わらず、有害物質も含まれていなかった。逆に清々しい気分になった僕は、ヘルメットを付けずに甲板へ出て、灰色の大海原で大きく叫んだ。
「あれ?」
灰色一色と思われた世界に、緑が表われた。
きっと島だ! 島が見えた! 僕は歓喜の声を上げながら船内に戻った。
ノアの箱舟がアララト山に辿り着いたように、オルペウスはとある島へと辿り着いた。しかしノアの箱舟が多くの生き物の種を番で乗せていたのに対して、オルペウスには男四人しか乗っていない。
辿り着いた島は緑に覆われたシルエットで、地球の無人島と何ら変わらない姿だった。辺境の惑星という先入観から、かつてのSF映画のような毒々しいヴィジュアルの奇怪な植物が繁茂しているのでは、という一瞬浮かんだ貧困なイメージも杞憂に終わった。
船内の食糧はまだ十分に残っていたが、いつ救助が来るのか分からない。否、救助自体が来るのかも分からない。僕らは手分けして、島の植物や生物を採集し、有害物質や毒素が含まれていないかなど、地球人の体に合うものなのかどうかを調査することになった。
「可能なら島に棲む哺乳類を捕まえて家畜にしよう」
辻隊長は麻酔銃を掲げて得意気にそう言った。彼はこの調査隊の
僕は元が植物学者なので野草や樹木、果物など植物の調査。町田はこの星に人類に準ずる生物が存在するかの調査を主に、僕らと同様に食糧探しも兼ねる形となった。一方、久保は探査船の見張りをしつつ、備品から自作した釣り竿を海へ投げ、魚釣りに興じている。
調査を進める中で僕は緑の塊を見た。最初は樹木の集まりだと思っていたのだが、どうもおかしい。高さは二メートルほどで、太さは一メートル程だろうか。表面は杉の葉のような緑色に覆われ、幹や根本と思しき部分は黒ずんだ茶色で、樹皮のようにひび割れている。これでは一見ただの木のように思える。
しかし、緑の塊は一定の位置にいなかったのだ。
緑の塊の傍で、僕は足元の植物を摘むため屈んでみた。
その時だ。
背後に何か違和感を覚え振り返ると、さっきまで右側後方にあった緑の塊が、なんと左側の方へ微妙にずれていた。風もないのに、緑の葉がかすかに揺れているようでもある。
僕と緑の塊の間でこうしたやり取りが幾度か続いた。これでは町田から以前教えてもらった、大昔の子どもたちが興じたという遊び〈だるまさんが転んだ〉である。
結果、僕の収穫はほぼゼロであった。食糧になりそうな植物は発見できなかったのである。ただ採集した五種類の内、二つの植物は成分的に薬に使えそうなのが救いだ。辻隊長も町田も成果はなかったみたいだ。この星の生物を家畜にするのは辻隊長の提案だっただけに、彼は苦虫を潰したような顔をしている。
そんな中、久保はニヤニヤと笑いながらこちらに近づいてきた。その手にはバケツがある。
「おい、お前らは成果ゼロかよ」
自信と同時にこちらを嘲るような声音だ。僕はこの男のこういう所が嫌いだ。
「そういうお前は食糧になりそうなもの見つけられたのか?」
「大漁も大漁だ。これを見ろ!」
そう言って久保は僕たちにバケツを掲げた。
中身を見て僕たちには衝撃が走った。
殻に覆われた曲がった体から地球に生息するエビのようなものなのだろう。
ただその色は青黒く光沢があり、顔には蛍光色に輝く八つの眼があった。口元のヒゲは太く、蜘蛛の脚のように蠢いている。エビも見ようによってはグロテスクなのだがそれ以上だった。こんな生物が三匹ほどバケツの中で跳ねている。
「あと、これもな」
と、言って久保はバケツから魚であろう生き物を取り出した。
頭部が大きく盛り上がり両目は無く、口は鋭い牙がびっしりと生えている。後になって日本の佐賀県の特産である魚ワラスボを思い出したが、こちらもそれよりグロテスクだ。
魚がうなり出すと口から舌のようなものが飛び出した。舌先には巨大な目があり、それが爛々と輝いている。深海魚の発光器のようなものだろうか。
「久保さん。本当にそれを食べる気ですか?」
町田が久保の神経を逆撫でしないように冗談めかした口調で尋ねる。
「当たり前だろ。飢え死にしたいのか」
「それはそうだけど、まだ船内に食糧はあるし……」
辻隊長が(こんなもの、とても口にできない)という感情を押し殺して、久保を言い含めようとしているのが滑稽だった。もしかしたら生物学者である彼の事だ。腹の底では(食べるなんて何事だ! 大事な研究材料だ!)と思っていたのかも知れない。
「その食料も限りがあるだろ。だから現地のものを食って節約しないと。そう提案したのは隊長、あんただ」
久保の反論は正しい。頭ではみんな自分たちがいま置かれた状況を理解している。ただグロテスクな見た目からどうも食欲が減退してしまっているのだ。大気組成が地球と同じだからと言って、地球上の生物とまったく同じ姿であるとは限らない。そんなことは当たり前だ。救助が来る確率が少ないという絶望感に襲われながらも、島を発見したことで僕ら三人は何処かで楽観的だったのかも知れない。
この星の魚介類の検査も僕に担当が回ってきた。基本的には問題なかったが、地球上には存在しない物質が、便宜的以下のように呼称するが――ハーデス海老とハーデスワラスボの体内に微量に含まれていた。その事もみんなには伝えたが、結局はものは試しにと食べることになった。
調理担当は久保だ。久保の出身地は海沿いの町で幼い頃から釣りを楽しんでいたという。肉も魚もその大半が培養肉となった現在の地球で、彼は珍しく自然の魚を頻繁に食べていたらしい。彼の作業を端から見ていたが、捌き方や調理法もよく心得ているようだった。
久保はハーデス海老とハーデスワラスボを鍋にした。
グロテスクな頭部は無くなって身だけになったあの二匹の生き物は、地球上の魚介類の切り身のような姿になっていた。オルペウスの乗組員全員が日本人だったため、船内には味噌や醤油、お酢といった日本の調味料が豊富に揃えられていたのも幸運だった。
今回は味噌鍋にしたようだ。
何故したようだと言ったかたというと、僕は口にしなかったからだ。あのグロテスクな姿を見てしまっては食欲がわかないというのも事実だが、そもそも僕は魚介類があまり好きではないのである。魚介類が持つ独特の生臭さ――磯臭さというのか――が昔から苦手だった。
「いやあ、旨い」
辻隊長が舌鼓を打った。
「あの姿を見た時はどうなるものかと思いましたが、本当に美味しいですね」
「人は見かけによらない。食い物も見かけによらない」
三人は談笑しながら鍋を進める。鍋から上る柔らかく白い湯気と、漂う味噌の香りが僕の鼻と胃を刺激する。採集調査の疲れから、僕も腹は減っていた。
「平坂は食わないのか?」
隊長が尋ねる。
「平坂は魚が苦手だったな。でも食わないと保たないぞ」
僕が返答する前に、久保が隊長へ答えた。僕は曖昧な表情で誤魔化すだけだった。
明くる日もその明くる日も、三人は奇怪な姿の魚を食べ続けていた。焼き魚、鍋、しまいには魚醤まで作り始めた。さすがに生で食べるのは避けたらしいが……。
その間、僕は一切それらを口にしなかった。魚介類だけではない、この星の食べ物は一切だ。僕はその間、体に必要な栄養素が欠乏しないようにサプリメント状の濃縮栄養食だけを口にしていた。どうしてもあのハーデス海老やハーデスワラスボを食べる気にはなれなかったのである。
三人はエビと魚に加えて海藻も発見し、それも食すようになった。その海藻は海辺の洞窟の壁にびっしり生えていたもので、暗闇の中で光を発する。
海藻の調査はいつも通り僕に任された。基本的に問題なかったがやはり微量に未知の成分が含まれている。しかしあのグロテスクな魚介類を食すようになった三人だ。この程度で尻込みはしない。三人はそれ以降、味噌汁の具に光る海藻を入れ、食すようになった。
それから何か月か経ったろうか。
僕は相変わらず、濃縮栄養食だけを口にしていた。他の三人が手を付けないため、在庫はたんまりとあった。三人はというと、この星のもので作った食事を三食口にしている。久保に至っては食べ過ぎで、航行中よりもこの星に不時着してからの方が肥えている。
そして三人に異変が表われたのも、この頃からだった。
隊長は手の甲をしきりに掻くようになった。
「どうしました?」
「いや、乾燥しているのかな?」
僕の問いに隊長はそう答えるだけだった。チラッと隊長の手を見ると、皮膚に深いひび割れが出来ていて、茶色く変色しているようだった。久保と町田にも似たような症状を見つけたが、僕はそれ以上彼らに指摘しなかった。自覚症状はもちろんあるだろうが、原因がわからなかったからだ。僕にその症状は現れていないということは、この星の大気が原因ではないのは間違いないだろう。ウイルスを媒介するような虫も今のところ発見出来ていない。
となれば考えられるのは、やはり食べ物だ。
体以外の変化が表れ始めたのも同じ頃だった。食事中に三人が話していたある時のこと。この時も三人はあのグロテスクな魚介類で作った鍋を食していた。
「町田、今更だが、やっぱりこの星に文明らしいものは発見できなかったか?」
「そうですね。※※の中には、文字らしい▲▲▲で……」
町田の言葉にノイズのようなものが走ったのだ。町田は言語の研究者だが、話していて多言語が混ざるようなことは今まで一度もなかった。言語に疎い僕が聞いても、町田が発したのは地球上に存在する言語ではないような気がする。
僕が怪訝な顔をしていると、町田は「どうかした?」と聞いてきた。隊長も久保も、町田の言葉を気にしているそぶりはない。僕は「いや、なにも……」と返答することしか出来なかった。
隊長が話を続けるが、
「そうか。※※▲▲◎※」
「▲▲※※で、※※◎◎な……」
隊長の言葉にもノイズが混ざっていた。久保に関してはほとんどノイズになっていた。以降、僕はもともと苦手だった久保を余計に避けるようになった。
不思議なことに聞きなれないおかしな言語が混入しているというのに、僕以外の三人はコミュニケーションが可能だということだ。
例の海藻を発見した洞窟は、オルペウスを接岸している岸のすぐそばにある。無論僕はあの光る海藻を一向に食べる気にはならなかったが、研究者の性か、洞窟の中を調べようと思った。海藻を調べれば、三人の変化にかんするヒントが何か得られるかもしれない。三人が海藻を採取したのは手前の方で、洞窟はまだ奥へと続いている。闇の中で光る海藻は灯り代わりになった。そこで僕は驚くべき発見をした。
洞窟の奥には、機械の破片があった。ボルト、ねじ、電極盤。どう考えてもこの星のものではなかった。
壁には何やら文字と絵が刻まれていた。棒人間の絵の横に矢印が刻まれ、その横には毛むくじゃらの生き物と思われるものだ。
その下には英語でこう書かれていた。
「この星のものを口にしてはいけない。食べてしまえば最後、人間ではない別の生き物に変貌してしまう」
今更だが、この星には過去に僕たち以外にも地球からの漂着者がいたことが分かった。漂着者が壁に残した文字に拠れば、奇怪なエビと魚、光る海藻に含まれる微量の未知の成分が人体に取り込まれると、次第に体が変異していく。肌は樹木のようにひび割れ色は茶色く変色し、体毛は植物の葉のように変質し、その色は緑と化す。
脳の言語野も未知の成分に侵されていくのか、やがて言葉を発することはなくなり動物の呻き、というより機械のノイズのような音しか出せなくなる。壁の文字は更に続き、漂着者が緑の怪物に襲われ抵抗したこと、怪物が人間を食すこと、漂着者が飢餓に耐え切れず、この星のものを口にしてしまったことが書かれていた。
僕は思い出した。この星の探査中に出会った緑色の塊の群れを。
ひび割れた樹皮は肌、葉と思った緑色は体毛……。
あれはこの星のものを食べて変化した人間だったのか。
しかし気づいた時には遅かった。オルペウスへ戻ると、緑色の体毛に覆われ樹皮のような肌の化け物が三体いたのだ。
この三体は辻隊長と久保と町田だ、と直感した。よく見ると怪物のひび割れた樹皮には、変身前の彼らが着ていた服の切れ端が引っ掛かっている。
「※▲▲◎※◎……」
三人は僕を見てノイズのような言葉を発すだけだ。
そのまま三人は僕に襲い掛かってきた。ただ動きは思ったよりは鈍い。宇宙船内で久保に見せられたゾンビ映画を思い出した。グロテスクな姿に変貌していても、仲間であることに変わりはない。
僕は三人に反抗せず、ただひたすら逃げた。三人は僕を追ってくるようだったが、やはり動きは遅く、その姿はもう遠い。
僕は島の奥へとただひたすら逃げた、逃げた、逃げた……。
そして、壊れた宇宙船を見つけた!
僕ら以外にこの星に辿り着いた人たちの物だろう。
しかし中に入って後悔した。宇宙船の中は緑色の怪物たちの住処になっていたからだ。僕の気配を察知して、わらわらと怪物が出てきた。
ひび割れた腕を僕に向け、今にも掴みかからんばかりだ。ただ全力疾走の僕に、連中は到底追いつけない。僕はとにかく宇宙船の奥へ、奥へと走った。
当時は余りに必死だったからその時は見過ごしていたが、今振り返ると、船内には足首や手などのバラバラになった白骨が落ちていた。恐らく緑の怪物の食べ残しではなかっただろうか……。
行きついた先は、脱出ポッドの発射口だった。これ以上奥へは進めなかった。往生している間に、怪物たちは既に出口を塞いでいた。
これはもう脱出ポッドに乗るしかない。ここからポッドを発射して大気圏を突破できるかは分からない。しかし、もうこれに賭けるしかないと思った。僕は脱出ポッドに乗って、発射ボタンを押した。
「起きたか……。大丈夫か? 名前はわかるか?」
目の前に髭を生やした中年男性の顔が見えた。
「ここは何処ですか?」
「宇宙貨物船のポセイドンで、俺は船長の目黒だ。漂流していた脱出ポッドから救難信号が出ていて、回収したらあんたが乗ってたって訳だ」
「そうですか。ありがとうございます」
「他の連中はどうしたんだい?」
「え……?」
「あんた以外の乗組員さ。脱出ポッドに乗ってたってことは宇宙船から射出された訳だろう。でも近くに航行不能になった宇宙船もなければ、脱出ポッドはあんたが乗ってた一艇だけ」
何が言いたいのだろうか? と僕が考えていると、
「ひょっとして……食っちまったか?」
髭の男は僕を
僕は吐き気を催した。
「すまん、すまん。冗談のつもりだったんだがな」
目黒船長はバツが悪そうに僕に謝り、気まずさを紛らわすためか大声でガハハハと笑った。
僕は深呼吸してから、目黒船長に一通りの事情を話した。宇宙船の故障と不時着については。ただ不時着先が惑星ハーデスだったこととその星の食べ物、それを食べた人間が緑色の怪物について変貌してしまうことについては伏せた。仲間たちは発狂して行方不明になったということにした。
「腹減ってるなら飯でも食うか?」
目黒船長に誘われ食堂へ行った。
出てきた料理はステーキだった。
「広い宇宙に出るとやっぱり故郷の食べ物が食いたくなるよな」
「はい……」
「とは言えこれは培養肉だ。そうじゃないと値段も馬鹿みたいに高いし、宇宙じゃ保存も効かないからな」
一瞬ギョッとした。まさか他の宇宙生物の代用肉かと思ったからだ。ステーキは厚く脂ものった肉だった。培養肉と言っても高品質な物だろう。泣きながらステーキを僕は頬張った。
目黒船長はワインも薦めてきた。
「酒でも飲んでゆっくり休みな」
僕はワインを三杯ほど飲んで深い眠りに落ちた。
よもつへぐい――
航行の中で町田が教えてくれた言葉だ。日本神話で
町田だけじゃない。久保と辻隊長も。緑色の体毛とひび割れた肌を持つ樹木のような怪物に変貌してしまった。
僕ひとりだけ助かったことには、やはり後悔の念がある。僕がもっと強く三人を止めていたらと思ってしまう。
僕を救出してくれた貨物船はポセイドンという名前だけあって、各惑星の海産物を主に運んでいるようだった。たまにはそうした魚も料理として提供されることがあった。切り身に加工された姿で提供されるとはいえ、脳裏にはあの惑星ハーデスで見た奇怪な魚たちが浮かんでしまう。
「好き嫌いしないで食べないと健康に悪いぞ」
目黒船長からそう言われても、あんなことがあった後では、やはり食べる気はしない。初めは肉料理もあったが、どんどん魚料理中心になっていき、僕の食はどんどん細くなった。
そして、今――。
僕の体はほとんど骨と皮だけになって、枯木のように細くなっている。
皮膚もかさかさと乾燥してきた。その上、乾燥は
掻き壊した手の甲の皮膚はひび割れ、血が沈着して、茶色く変色したように見える……。
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