第6話 憑かれ知らず SIDE H
「え、肝試し?」
大学があと数日で夏季休業に入るという七月末。
二年生の
誘ってきたのは通と同じゼミの
対する浪木通はと言うと、本の読み過ぎで悪化した視力をカバーするため分厚いレンズの眼鏡を愛用し、服装は基本的に上下とも黒で統一している。清潔感が無い訳ではないが服装には無頓着で、どこか野暮ったさを感じさせる青年だ。成績は中の上ぐらいで、これは本人の認識も世間の評価も一致している。人付き合いが苦手という点も、本人の認識と世間の評価とが一致している。世間には“チー牛”という蔑称があるようだが、三人組はどうも通に対してそのようなレッテルを貼っているようだ。
通はこの三人組が苦手だった。
(向こうも自分を好意的には思っていないだろう)と、通は思っている。
ゼミ内では共同発表や共同レポートが頻繁にあり、通は何の因果か雰囲気が正反対のこの三人と同じグループになった。
初めの内は三人も協力的だった。下調べやレポートのまとめを一緒に行っていた。
関係が拗れたのは三回目の共同発表の準備の時だ。
通が大城のとあるミスを指摘した。ミス自体は誤字が何か所かあるという些細なものだった。通も別に鬼の首を取ったようでもなく、声を荒げた訳でもなく、ただ淡々と大城のミスを指摘したのだった。
しかし、大城のプライドが許さなかったのか、彼女は大げさに瞳に涙を浮かべ始めた。
「ひどい、浪木君。そんなに言うなら、そっちで直してくれればいいじゃない」
「それは君の担当部分な訳だから」
「でも、でも……」
大城は大声で涙ぐみながら、斎木や猪俣に駆け寄っていた。
「頭が固いな、お前。手伝ってやればいいだろう」
斎木と大城は交際しているようで、斎木は大城の肩を抱いて宥めながら、通をニヤニと見ている。ただ、その目は笑ってはいなかった。
通には斎木の笑顔が、童話に出てくる意地悪なキツネのように映っていた。
「美沙を泣かせやがって、タダじゃ済まさねえぞ!」
筋骨隆々で大柄な猪俣が、通を大声で威嚇してきた。
通はその声に一気に委縮してしまった。
結果、通は大城のミスをカバーすることになったのだ。
持ちつ持たれつ、通と三人組とがお互い支え合えば、さぞ美しい関係になっただろう。
しかし、そうは問屋が卸さなかった。
この後、三人組からの通への要求はエスカレートしていった。
プレゼン前の下調べ、その他レポート類のまとめを、三人は通へ全て押し付けはじめたのだ。通は当初そんな三人に反発したが、大城を泣かせた事を持ち出された上、また猪俣が大声で威嚇してくる。すっかり委縮してしまった通は三人の要求を受け入れ、一人で作業する事にした。最初こそ中々に大変だったが、通は元々人付き合いが苦手。作業ペースが掴めてくると、むしろ気を遣わなければいけない三人組の存在がいないためか、単独作業の方が気楽になってきた。
一方の三人組はレポート発表の時にはしっかり出席し、自らの手柄のような顔で振る舞う。しかし今や通にとってもはや三人組は眼中にはない。三人組がどんな顔をしてようが知ったことではないのだ。
だからこそ今回の肝試しの誘いは、通にとってまさに青天の霹靂だった。
(向こうも自分を好意的には思っていないだろう)という、通の見立ては正解だ。
大城たち三人組は当初、通に全て押し付けるつもりはなかった。単独作業に困難をきたした通が頭を下げて謝って頼んで来れば、一緒に作業しようと思っていたのである。
しかし結果的に通は一人で難なく作業している。
三人の現在の通への見解は一致していた。(謝るどころか得意気になっている。気に入らない)と。
「海が脅しすぎたんだって。俺みたいにスマートにやんなきゃ」
「何がスマートだ。陰湿の間違いじゃないか?」
「酷いなあ」
斎木と猪俣が談笑しいていた。
「それにしても気に食わない……」
猪俣の顔から笑みが消え、声が一段と低くなった。
斎木の顔からも笑顔は消えている。
「ねえ、このままで大丈夫なの? 私たちが何もしてないってこと、あいつ教授にチクったりしないよね?」
甘ったるい声で大城が二人に確認した。
「大丈夫だよ。そんな度胸もないだろう」
「また怖がらせりゃ大丈夫さ」
斎木も猪俣も猫撫で声で返答する。
「怖がらせる……。そうだ、いいこと考えた」
恐らく大城は邪悪な事を考えているのだろう。しかし、その笑顔はとても晴れやかだった。
「え、肝試し?」
「そう。せっかく同じゼミで同じグループになったんだし、親睦を深めようと思って」
そう言う大城を尻目に、通は(何を今更……)と思っていた。
親睦を深めるならゼミ内でグループに別れた時にするだろうし、関係が拗れた今となっては深める親睦も何もないだろう。向こうの意図は自分を怖がらせることだ。
僅かの間に通はそこまで計算していた。ただ向こうに気取られないように感情は殺している。少し苛立ったが、あくまでもいつもの無気力な表情のまま対応した。
一方、三人組は(相手はビビリのチー牛だ。断ってくるだろう)と踏んでいた。通が断れば、いつも通り猪俣が彼を脅して、無理やり引っ張ればいい。そう考えていた。
そして、通が口を開いた。猪俣は通が断った時に彼を脅すため、体を通へ向けて臨戦態勢を取る。
「良いね。行くよ」
「え?」
三人は拍子抜けした。まさか通が承諾するとは思ってもみなかったからだ。
「本当に良いの?」
「お前、肝試しだぞ?」
想定とは違う事態に、大城と斎木が念を押して通に確認する。
通は(誘ったのはお前らだろ)と思っているが、表情を殺してあっけらかんと答えた。
「だから、構わないよ」
「…………」
沈黙する三人組に構わず、通は話を続ける。
「それでいつ、何処へ行くの?」
通は満面の笑みを浮かべ、歯を見せた顔を三人組へ向けた。
浪木通は臆病――
三人組の通に対する見解自体は当たっていたのかも知れない。事実、彼は猪俣の威嚇に怯えていたのだから。しかし臆病といっても対象はそれぞれである。犬が苦手でも虫は大丈夫、といったように臆病者だからといって森羅万象この世のもの全てに臆病とは限らないのだ。
浪木通という男もまた、その例には漏れなかった。
実は浪木通は、大のホラー映画マニアだったのだ。
三人組は通に作業を押し付けるだけで、プライベートな話は一切していなかった。だから、彼らがこの事実を知る由もなかったのは無理もないだろう。
しかも通にとってホラー映画鑑賞はストレス発散の一環だったのである。
『悪魔のいけにえ』、『死霊のはらわた』、『13日の金曜日』等々……。通が特に好んで観ていたのが、浮かれた大学生が長期休暇を利用して地方のキャンプ場などへ出かけると、凶悪な殺人鬼に襲われ酷い目に遭うという内容のものだった。
「自分はグループでキャンプに出かけたりしないから、こんな酷い目には遭わないな」という安心材料の下で、通は本来観客を怖がらせることが主眼の映画を、ゲラゲラと笑いながら楽しんでいた。
大城たち三人組からの仕打ちが始まると、ホラー映画鑑賞は更にエスカレートしていった。通はホラー映画で浮かれて軽薄な大学生が襲われ死に至る様子を見ては、三人組を思い浮かべ溜飲を下げていたのである。どうにもひねくれたストレス発散法である。
帰宅した通はDVDプレーヤーのスイッチを入れ、映画を再生した。いつも通りホラー映画だ。ただ真剣には画面を観ずに、流したままにしているだけである。
「さて、どうしたものか……」
向こうの目的が自分を怖がらせることだというのは、通にも明白だ。
三人組はただ自分を心霊スポットに連れて行くだけなのか。怖がらせるために様々な仕掛けを施してくるのか。通はそこが読めないでいた。
「何かヒントがないかな?」
通はテレビ画面に目を向けた。大学生カップルが抱き合ったところに、仮面で顔を覆った殺人鬼が現れ、鉈をカップルの首に振り下ろす映像が画面に流れている。
「まさか、向こうをこんな目に遭わせる訳にもいかないしなあ……」
そして、肝試し当日――。
時間は深夜二十三時。
通の家まで斎木の運転する車が迎えに来た。助手席には大城、後部座席右側には猪俣が乗っている。
通は自然と猪俣の横に乗ることになった。
猪俣は車に乗ろうとする通をじっと見て、前の席を蹴った。もちろんワザとである。
通はビクっと背中を震わせた。
通の方も実はワザとである。猪俣は大声で恫喝したり物を蹴ったりはするが、直接手を出してくることはない。それに気づいた通はワザと怯える振りをした。そうしておけば、この男が満足するだろうと踏んだからだ。
怯える通を見て、猪俣は満足そうにニヤついた。
「ちょっとやめろよ」
笑いながら斎木は後部座席へ振り返った。それにお大城も続く。陰険に笑った二人の視線が通に刺さった。
通はその視線を無視し、口をへの字に結んで後部座席に座った。
斎木はつまらなそうに、視線を前に戻して、車のエンジンをかけた。
「行き先を教えてなかったな」
斎木が運転しながら通に声をかけた。
「S市の外れにアパートの廃墟があるんだ。そこで数年前サラリーマンが首を吊ったらしいんだよね。それ以来、夜になるとアパートの窓から死んだ男の顔が覗いているんだって」
斎木の声音は楽しそうだ。(怖いだろ。怖がれよ)と言わんばかりの声である。
大城は「ヤダ、怖ーい」と、全く怖がっていない緊張感の欠片もない声で反応している。
「そうだろ、ネットで見つけたんだ。“最恐心霊スポットベスト一〇”ってヤツ」
斎木の声はなおも楽しそうだった。ドヤ顔ならぬドヤ声である。
猪俣の視線を感じた通は、少しだけ怯える演技をした。
(廃墟に自殺者の霊が出るか。ありがちな話だなあ)
通はそう思ったが、怯えた表情の仮面で心の内を隠し通した。
アパートなら所有者が部屋に鍵をかけているのでは?
細工をするなら階段か? 廊下か?
三人組がどう出てくるのか、通は思考を巡らせる。
「ほら、見えてきたぞ」
斎木が言った。車窓を流れる風景から住宅の列が途絶え、青草が茂った空き地に変わった。青草の奥に箱のようなものが幽かに見えた。
それが例のアパートだった。
「そこの一〇八号室に出るみたいなんだ」
斎木が廃アパートの駐車場に車を停めて、一同は車から降りた。
斎木は懐中電灯を右手に持ち、スイッチを入れてアパートに光を当てた。斎木の左腕には大城が腕を絡ませている。猪俣は斎木と大城の後ろに構え、通に視線を向けた。
通は三人の存在を無視して、廃アパートを見上げた。
外壁は汚れが目立つ上に、大きく落書きをされている部分もある。
階段は支柱も段も錆び付き、一部には穴が開いている。
各部屋の窓も蜘蛛の巣のようなひび割れがあったり、完全に割れていたりする。
全体を眺め回した結果、通にはこの廃アパートに幽霊が出るとは思えなかった。何の変哲もないただの廃墟としか感じられない。
霊感がない人間でも、こういった霊のいる場所に来れば、鳥肌が立つようなゾッとする感覚に襲われるという。しかし通は今の所、この廃アパートでそういった感覚には襲われていない。
通の頭には(該当の部屋に入るとまた違うのか?)という考えが浮かび始めた。
それでも恐怖という感情は湧いてこなかった。
「じゃあ、俺たちは先に行くからお前は後で来い」
猪俣が声をかけた。
通が呆気に取られていると、
「懐中電灯は一本しかないからな」
斎木がそう告げた。三人組は通に背中を向けて、そのまま廃アパートへ向かう。
通は車の中で待とうとドアに手をかけるが、鍵がかかっていた。
舌打ちして足元にあった石を蹴飛ばす。
しばらくして三人組が戻ってきた。
三人の表情に恐怖の色がないことを通は確認した。
(やっぱり幽霊は出ないか)
安心した半面、少し残念な気もするホラー映画マニアの通だった。
「じゃあ、お前の番な」
「浪木くん、頑張ってね!」
斎木と大城が通に声をかけた。三人組は笑いながら通を見ていた。街灯が少ない仄暗い中のため、三人組の笑顔には独特の陰影が刻まれ、普段よりも陰険な笑みに見える。
斎木が通へ懐中電灯を渡した。
通は静かに受け取って、幽霊が出るという一〇八号室へ向かう。
その間、通は懐中電灯のスイッチを点けたり消したりした。三人組が懐中電灯に細工をしたのでは、という疑念が浮かび確認した次第だが、結果的に懐中電灯に問題はなかった。
(となると……)
通が肝試しをしている間に、三人組が自分ひとりをアパートへ置き去りにするのではと考えた。ここまで向こうが運転する車で来ている。(仮にそうなったら歩いて帰れば良いか)と、通はあくまで楽観的に考えていた。
そうこうしている内に、一〇八号室の前に着いた。
通はドアノブに手をかけ回してみる。鍵は開いていた。
ドアを開けそのまま中へ入り、懐中電灯で室内を照らす。
間取りはワンルームだった。
部屋の一番奥には、ガラスが割れ網戸も破れた大きな窓がある。
押し入れの襖も破れていた。腐った畳は中身を露出させている。
通が歩くと、部屋全体を覆った埃が、懐中電灯の光の中で舞った。
マスクを持ってくるべきだったと、通は後悔した。
通は懐中電灯を持っている腕を回して、室内全体を照らした。
(ただの廃墟か。幽霊なんていないな)
全身の肌が粟立つようなゾッとする感覚もなく、通が安堵の息を漏らした。
部屋を後にした通は駐車場へ向かう。
薄闇の中に、斎木の車はまだあった。外に人影はなく、車内に照明が点いているので、三人組は車の中にいるのだろう。
(意外とフェアプレー精神の持ち主なんだな)と、通は自分を置き去りにしなかった三人組に感心した。
三人組は車から降りて、通を出迎えたが、何故か全員の顔に恐怖の色が浮かんでいた。
口を大きく開け、何かを言いたそうにしている。
「どうかした?」
三人組の異様な雰囲気を察して、通が尋ねた。
「お前、後ろに……」
斎木が通の後ろを指さす。
「俺の後ろ……?」
通が自身の背後を確認しようと振り返ると、
「イヤあッ!」
大城がしゃがみこんで、金切り声を上げた。
「何?」
通が大城に近づくと、
「来ないで、来ないで!」
しゃがんだまま、大城はそれだけを連呼していた。
斎木と猪俣は息を呑んで、通を呆然と見ているだけである。
それから数分経って、
「消えた……」
猪俣が呟いた。
なおも震える大城の背中を、斎木が「大丈夫だから。大丈夫だから」とさすっている。
こうして、この日の肝試しはお開きとなった。
数日後、通は三人組からまた肝試しに誘われた。
今度の行き先は、O市近くのトンネルだという。
向かう道中、車内の空気が前回とは違うのを、通は感じていた。
前回の三人組はニヤニヤ笑って通を見ていたが、今回は押し黙っている。
ルームミラーに映る大城と斎木の顔も不安げな様子だった。
お目当てのトンネルに到着し、いざ肝試しとなった。
前回同様に、三人組と通ひとりに別れる。
三人組がトンネルから戻ってきて、通の番になった。
トンネルに入った通は、今回もゾッとする感覚に襲われてはいなかった。
(また幽霊はいないか)とガッカリした気持ちになっている。
そしてトンネルから通が戻ると、また大城が金切り声を叫び始めた。
斎木と猪俣も白い顔で通を呆然と見つめるだけである。
「何だ。怖がりはそっちじゃないか!」
元々ホラー映画マニアだった通だが、実際の心霊スポットは流石に敬遠していた。しかしこの二回の肝試しで自信が付いた。
それから三人組の怖がる様が面白くなった通は、逆に三人組を心霊スポットへ誘った。
怖がらせるはずの通が毎回平気なそぶりを見せるため、「次こそは!」と三人組も意地になり、通の誘いを快諾した。
廃病院に廃寺、廃神社古戦場跡。近隣のあらゆる心霊スポットへ四人は出かけた。
三人組が先に見て回り、三人組が戻ってから通単独で心霊スポットへ入る。
通がひとりで戻ってくると、三人組の顔には恐怖の色が浮かんでいる。
毎回その繰り返しだった。
しばらくして、通は受講している夏季集中講義のため、夏休みながら大学のキャンパスにいた。昼食を取ろうと、通は学生ホールのテーブルに着く。
連日の心霊スポット巡りの疲れがたたったのか、体が重いと感じた通はテーブルに突っ伏していた。
そこへ同じ講義を取っていた斎木がやって来て、通と同じテーブルに着いた。
「やあ、今度はどこの心霊スポットへ行く?」
ムクッと起き上がった通は、悪戯っぽい笑顔で斎木に切り出した。
「もう勘弁してくれ……」
斎木は泣きそうな顔で、通に答える。
「わかったよ」
「良かった」
斎木がほっと胸を撫でおろす。
「それよりもお前、何ともないのか?」
「何ともないって?」
いつになく真剣な顔で話す斎木に、通は不思議そうな顔で答える。
「いや、さあ……」
斎木が口ごもる。
頭をかいて何か考え事をしながら、斎木はようやく口を開いた。
「最初アパートへ行ったろ。あの時、お前の後ろに血まみれの男の顔が見えたんだよ」
「へえ」
(この期に及んでこの男はまだ自分を怖がらせようとしているのか)と考えた通は、生返事をした。しかし斎木の顔は真剣そのものだった。
「それだけじゃない!」
通の生返事は気にせず、斎木が語気を強めて続ける。
「その後、心霊スポットへ行く度に、お前の後ろには霊の顔が浮かんでいるんだよ。それもどんどん増えていってる……」
通は斎木の口調に嘘を感じなかったものの、どこか他人事だった。
いま自分の体が重たいのは、心霊スポットへ行く度に幽霊がどんどん取り憑いているからなのか。(まさか、そんなことはない。ただ疲れているだけだろう)と、斎木からの話を聞いて一瞬だけ頭をもたげた疑念を、通はすぐに消し去った。
「今も見えるのか。俺の後ろに幽霊が?」
「いや……」
「じゃあ、気のせいじゃないのかなあ」
通は例が取り憑いているという実感も自覚もないため、答えを曖昧にした。斎木がいつになく真剣な口ぶりのため、彼の発言を否定しないよう配慮したためでもある。
「じゃあ、次はさ」
「だから、もう勘弁……」
「いや、心霊スポットはもう十分だよ。少し疲れたし、皆で温泉にでも行かない?」
「良いね、行こう」
斎木の顔から不安の色が消えて、ぱっと晴れやかになった。
三人組が提案した肝試しの表向きの意図は親睦を深めることだった。ひとまず結果的に今、通と斎木の親睦が深まったといえるだろう。
通は体の重さがどこかへ消えたのか、すっきりした表情でいる。
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