世界中に嫌われても、一人の美少女が愛してくれたらそれは幸せだと思うんだ

片山大雅byまちゃかり

俺、燃ゆ

 俺は燃えた。男を殴ったからだ。ネット社会は恐ろしく、それは一晩で急速に炎上した。


 その日は警察のお世話になって眠れなかった。幸いにも正当防衛が成立し、不起訴処分に終わった。


 しかしそれが良くなかったのか、色んな推測、陰謀論が巻き起こりさらに炎上した。


 電話番号や実家はあっという間に特定され、ものすごい誹謗中傷に晒された。


 けれど、仕方ないことだ。あの男を殴ったのは、彼女を守るためだったからだ。


 玉村結月は前々からストーカー被害に悩まされていた。このままじゃ殺されると思ったのだろう。俺に相談を度々していた。


 俺は彼女の力になりたかった。だから極力、二人で行動していた。それがストーカーの逆鱗に触れてしまったのだろう。


 その日、ストーカーが刃物を持って俺たちに襲いかかってきた。頭に血が昇っていたのか、動きは単調だったので、クロスカウンターで仕留めた。


 その様子を何者かが写真に撮っていて、その写真をSNSに晒されたことで俺は炎上した。


 俺は配信者だったので、謝罪動画を投稿したのだが、圧倒的低評価率だった。


「……そうだよな。俺、人殴っちゃったもんな」


「ごめんなさい司くん。私のせいで……」


「気にすんな。俺の彼女を守るのは当たり前だ」


 そうだ。俺にはまだ結月がいる。


 俺があの時迎撃してなかったら、おそらく結月は俺の目の前から居なくなっていただろう。あの時の選択は後悔していない。


「少しずつ、信用を取り戻していくしかないか」


「私も手伝うよ。だって私は、司くんの彼女だもん!」


 例え世界中に嫌われても、一人の美少女が愛してくれたらそれは幸せだと思う。



◇連載中の現代ファンタジーです。


「魔王討伐した勇者鈴木と聖女シャンテルはお金が尽きたのでダンジョン配信を始めた〜勇者パーティの名声を活かしてバズるっすよ! 」


https://kakuyomu.jp/works/16818622177580330831

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世界中に嫌われても、一人の美少女が愛してくれたらそれは幸せだと思うんだ 片山大雅byまちゃかり @macyakari

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