第53話「ガイル兄に春が来た!?」

#第53話「ガイル兄に春が来た!?」


ガイル兄に対してカレンさんがよそよそしくなった原因についてルカが聞き出してくれた。


私とエマ、リナはその話を近くで聞いてがっくりした。さすがにガイル兄は鈍すぎる。


カレンさんのことが好きなくせに、縁談がたくさん来ているとかモテ自慢とかしてどうするというのか?


もしカレンさんがガイル兄のことを気にしていたらショックを受けているかもしれない。ほんとガイル兄は馬鹿なのかな?



でも私達3人はルカとガイル兄の会話に聞き耳を立てている状況で直接アドバイスすることはできそうにない。今はルカが頼りだ。


「でもさ、ガイル兄、それは逆に脈ありかもしれないよ。そこはプラスに捉えようよ」


「うん?ルカ、それはどういうことだ?」


「だって、全く気にならない相手ならばさ、その人に縁談が舞い込んだってどうでもいいでしょ。機嫌が悪くなったということは……少なからずガイル兄に脈があるということじゃないかな?」


「!!!」


「だからさ、ガイル兄、これは本当に真剣な話だけど……」


「ガイル兄、今すぐにカレンさんに告白した方がいいよ!ここは絶対にごまかしたら駄目だよ!」


「告白!な、なんだと……そんな恥ずかしいこと……俺にできるかよ!そもそもカレンさんは俺に全く気が無いかもしれないじゃないか!」


「だったら言わなくてもいいよ。でも、カレンさんは研修で来ているんだよね。もしかしたら王都から呼び出されて明日にでも帰っちゃうかもよ?そうしたら一生、告白できなくなるよ。当然、王都にはたくさんの男性がいるからそっちになびくかもよ?」


「うっ、それは困る……」


「考えてみてよ、ガイル兄。カレンさんが研修でうちに来ているなんて運命かも。そして今が千載一遇のチャンスなのかもしれないよ。こんなチャンスはめったにないよ。今を逃したらずっとチャンスなんてこないよ。男だったらここで動かないでいつ動くのさ?」


「それに…駄目で元々なんだったら、なおいいじゃん。振られても当たり前なら当たって砕ければいいよ。チャンスをみすみす逃すぐらいなら少しぐらい恥ずかしい思いをするぐらいなんてことないよ」


「そうだよな。駄目で元々。しかも今しかチャンスはない、千載一遇のチャンスを逃すなんて男じゃないな……わ、分かった……俺、カレンさんに告白する……!」



よし!ルカ偉い!そのアドバイスでばっちりだ。私達3人はこっそりとルカに向かって親指を突き立てた。本当にルカは頼りになるね!


さてあとはガイル兄とカレンさんの本人同士の問題だ。どうなることやら。



そしてその日の夕方、早速、ガイル兄はカレンさんを呼び出したようだ。そして勇気を振り絞ってカレンさんに告白するらしい。


私とエマ、リナ、ルカの4人でその様子を物陰からこっそり見守っていた。


ガイル兄は真っ赤になってカレンさんに告白した。

「カレンさん、俺はあなたのことが好きです。あなたは俺の理想の人だ。綺麗で可憐で強くて……できれば結婚を前提にお付き合いして欲しい!」


カレンさんもびっくりして真っ赤になっている。そしてガイル兄に小さい声で答え、その手をとった。

「……まずは、お付き合いからなら……。こちらこそ宜しくお願いします」


私達4人は顔を見合わせ声に出そうになるのを必死にこらえた。そしてみんなでガッツポーズ!


どうやら、ガイル兄に春が来たみたい!やったね!!!

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