第32話「弟と一緒に寝ることに」

#第32話「弟と一緒に寝ることに」


私はルカが成長して遠くに行ってしまうのではないかと不安で眠れなかった。最近では魔法使い訓練所も始まりその責任者にもなったのでそのプレッシャーもあったのだろう。



診療所の先生に相談したところ

「その大好きな弟さんと一緒に寝たらどうですか?」と冗談で言われた。


でも私にはその方法が一番いいのではと思えた。楽しそうで急にワクワクした。でも断られたらどうしよう。少し怖かった。どうやって切り出そうか?



とりあえず私は夜にルカを寝室に呼びだした。


でもそこで待っていたのはルカの思いがけない言葉だった。


「リリア姉、ゴメン、無理させているよね。魔法訓練所は辞めようか?」


ああ、私は駄目な姉だ。ルカに余計な心配させてしまったようだ。でもそれは絶対に駄目だ。せっかくルカとの共同作業が始まったというのに辞めるなんてあり得ない。


「駄目!絶対に駄目!せっかくのルカとの共同作業なのに何を言うの?」


「だってリリア姉、体調悪そうだし、、、いろいろ無理しているんじゃないの?申し訳ないよ」


確かに体調は悪い。その通りだ。やっぱりルカは私のことを見てくれている。嬉しいが同時に情けなく申し訳ない気持ちにもなった。



「それは違う。私の心の問題なの」


そして私はとうとう切り出した。断られることを恐れていても進まない。これが今日の本題だ。


「そうだ!いいことを考えた!ルカ、今夜は一緒に寝ましょう!」


「い、いきなりどうしたの?」


私の言葉にルカはびっくりしたようだ。そりゃそうだよね。一緒に寝るとかこれまでの話が結びつかない。

そこで私は考えていた言い訳を並べた。


「えっとね、、、うん、その……魔法訓練所って、合宿みたいなものでしょ?だから、そういうのも必要かなって。私、朝が弱いからルカが起こしてくれると嬉しいし。寝不足で起きれなかったら訓練生にも悪いし」


ルカはびっくりして、しばらく考え込んだようだけど了承してくれた。


「うん、いいよ、合宿だね!今日は一緒に寝よう」



ということで、私たちは一緒のベッドに寝ることになった。


一緒の布団に入りながらルカと魔法談義をしていたら眠くなったらしい。ルカが寝息を立てている。


……ああ、寝顔がかわいい。安心する。


ルカと寝るときに一緒にいるだけで、こんなに安心するなんて。


以前、一度だけルカを挟んで母さんと3人で一緒に寝たことがあった。そのときも、こんな安心した気持ちだった気がする。


ルカは将来的にどこかに行ってしまうかもしれない。でも今だけはこうやって一緒にいる。私がルカを独占している。贅沢な話だ。


「おやすみ、ルカ」


そうして私はぐっすりと眠ることができた。そして朝、目を覚ました……そこにはまだ寝ているルカがいる。


「幸せ。やっぱりルカが横に寝ていると安心する」


思わずそのままルカを抱きしめて二度寝した。


こんなことを言ったら申し訳ないけどルカはまだ背が低い。だから抱き枕状態。

私は胸にルカを迎え入れて抱き着くように再び眠った。


「キャッ!」


その後、、、ルカを抱きしめたままだった!ルカから胸を押しのけられて思わず声が出ちゃった。


そしてルカが何故か謝ってくる。


「リリア姉、ごめんなさい、、、えっと、その、、、この手が悪い!」


私は笑った。何も問題ないのに。


そして「おはよう、ルカ、おかげでよく眠れたよ」と再び抱きしめた。


こんなにぐっすり眠れたのはいつ以来だろうか。本当に久々に清々しい気持ちの良い朝だ。起きた時にルカの顔を見れることがこんなに幸せだとは思わなかった。


それなのにルカは必死に何度も謝ろうとする。私の胸を触ったことを気にしているのかな?そんなことはどうでもいいのに。私は笑いながらルカが謝るのを止めた。



そうそう、忘れていた。

私の今後の安眠、安寧のためにもルカを手放すわけにはいかない。


「じゃぁ、ルカ。明日からも宜しくね。ちゃんと夜は私の部屋に来なさいよ」


「えっ?もしかして毎日???」


ルカは少し困惑しているようだった。


でも断るわけでもなかったので大丈夫だろう。


こうして私の毎日の楽しみが1つ増えた。

朝からすごく体調が良い。これからは朝から気分が良くなりそうで嬉しい。

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