第21話「麦畑を守る戦い:前編」
#第21話「麦畑を守る戦い:前編」
リヴェル領から魔物討伐の依頼が入った。内容はハーベル領の麦畑を魔物の襲撃から守るというものだ。
ハーベル領は国内でも有数の麦畑の生産地だ。魔物に蹂躙されたら国自体が揺るぎかねない大惨事になる。何とか守らねばならない。
話によると強力な中型魔物が出現したらしい。これはかなり危険な戦いだ。我が領の騎士団では無理かもしれない。
でも中型魔物に対峙するのはリヴェル領騎士団。うちへの依頼は小型魔物の掃討とのこと。
なるほど手が回らない小型魔物の掃討をうちがやればリヴェル領騎士団は中型魔物の討伐に集中できる。うまい役割分担だ。
全体的に見れば危険な討伐ではあるが我が領が担当するのは比較的安全な戦い。父さんはどう回答するのだろう?
そう思っていると父さんは当然のようにその討伐依頼を受けた。
まあ妥当だろう。今の我が騎士団ならば小型魔物ならば数が多くても何とかなる。私も気合を入れて行こう。
そう思っていたらびっくりした。なんとルカがその討伐に同行すると言い出したのだ。
シルヴィが「危ないからやめておいた方がいい」と言っても、ルカは首を振る。
「どうしても行かないといけないんだ」と。普段は冷静で無理をしないルカがここまで言うのは珍しい。
な んとバルド団長までルカの決断を後押しした。こうなるともう連れて行くしかないか。
だから私は覚悟を決めた。もしもの時は、私が守ればいい。今の私ならよほどのことがない限りはルカを守ることができるはずだ。
そうして、我が騎士団はハーベル領に向かった。
道中では小型魔物のボアビーストの群れに遭遇した。普通に考えれば危険な状況だったが、ルカが巧みに魔法を使い幻惑、その隙に騎士団が一気に討伐した。
我が領ではもう普通の風景だがリヴェル領の騎士団は驚いた様子。普通ならば危険だがルカの魔法はボアビーストに対してはめっぽう凄い。
あの天才魔法使いと言われたシルヴィまでもが「すごい、さすがルカ、やるな」と驚いている。
こうやってルカがシルヴィほどの人物に認められるのは嬉しいが、、、ちょっと複雑な気もする。
その後も道中で魔物が出ることがあったが難なく討伐。ハーベル領に到着した。
ハーベル領の城下町で合流したのは、剣の天才ノア。七歳ながら、将来の剣聖候補と言われる少女だ。彼女もルカのことが気になっている様子。またか、と少し胸がざわつく。
その夜の騎士団会議で討伐の概要が発表された。
・中型魔物が森の深層から降りてきている
・混乱した小型魔物が森から出てきている。その数はおそらく300頭以上
それを聞いたハーベル領の人達の顔色は悪い。
その気持ちは分かる。私達も1年ぐらい前まではそんな数が出たら騎士団全滅も覚悟する必要があった。
でも今は小型魔物だけなら数が多くても何とかなる。油断はいけないが我が騎士団には討伐の実績もあり自信に満ち溢れていた。
ハーベル領の騎士団が緊張しているのは懸念材料ではあるが何とかなるだろう。
あとは中型魔物、ヴァルモール・ベアか。あれだけはかなりやばい。
今の私の魔法では絶対に倒せない。シルヴィはあんな化け物に対峙するのか、、、やはりとんでもないな。
今は無理だがきっとこの差を埋めてやる。
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