第20話「弟の誕生日と妹の帰還」
#第20話「弟の誕生日と妹の帰還」
弟のルカが、4歳になった。
そしてルカの4歳の誕生日パーティーが開かれることになった。
4歳でパーティーが開かれるのはうちの領では異例中の異例だけど、この領の最大の貢献者の1人だから当たり前だと思う。
ルカはたった1年でとんでもない成果を出し続けた。魔物討伐の効率化、騎士団改革、農産物の生産開始、そして区画整理と戸籍制度の導入など。信じられないほどの成果をあの小さな背中が生み出しているのだ。
パーティーには隣領のミリアちゃんや、魔法の天才少女シルヴィも来てくれた。ルカと自然に話していて……やはり嫉妬してしまった。
10歳以上年下の子供に嫉妬する私はおかしいのだろうか?
でも、私だってルカともっと話したい。もっと近くにいたい。
あの子たちと同じようにルカと近い年に生まれていたら、もっと違う関係になれたのだろうか――
そんな叶わない夢をも考えてしまう。
***
その後、数か月の時が過ぎ、、、また嬉しい知らせが届いた。
エマが帰って来るというのだ。
エマは私の3つ下の妹。酪農地に働きに出ていたエマがこの1年の領の発展によって帰ってくる。これもルカのおかげだ。
嬉しい。心の底から嬉しい。家族がまた一人、揃った。
「ただいま!」
「お帰り、エマ!」
エマの帰還の声に心が温かくなる。エマともゆっくりと話をしよう。
でも……エマが帰ってきて、ルカとすぐに仲良く話しているのを見て、また少しだけ、胸がちくりとした。
ルカはすぐに誰とでも仲良くする。それは喜ばしいことだけど、私と一緒のルカの時間を取られるようでちょっと悔しい。
我ながら独占欲が凄いなと思う。
そして焦りが募る。
帰ってきたマルク兄、テオはすでに農産物の生産で結果を出し領に貢献している。そしてエマも酪農で結果を出して領に貢献していくかもしれない。
みんな、自分の得意分野で動いて領に貢献している。
私はどれだけ領に貢献しているのだろう?もちろん領内の魔物討伐もやっているし、他領での魔物討伐にも出て多少のお金は稼いで領に貢献している。
でも他の兄弟ほどの成果は出していないような気がする。
私には魔法しかない。
魔法で何ができるのか、もっと領に貢献できないものか?
例えば魔法使いとして成長してもっと強力な魔物も倒せるようになれば領への貢献度も高くなるだろう。もっと成長して倒せるようになってみせる!
特にルカの成長に負けないように。
エマや他の兄弟たちに置いて行かれないように。
私は、私の道を進んでいく。
そして、来年の今ごろ――
「リリアも凄いね。魔法使いとして領に凄い貢献しているね」って、誰かに言ってもらえるように進んでいこう。
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