ようこそ、Neon tokyo群へ
「ここは2ndcorner lineと言って、2ndと他の地区を繋ぐ電車なんだよ。ちなみに2ndには、Center、Corner、Bayの3つのlineがあるんだ。僕たちが乗ってきたところはBay areaで、湾岸沿いの大きな街だよ」
私は男性に半ば強引に手を引っ張られ、私達は今2ndcornerlineと呼ばれる電車に乗り、男性の家に向かっている。
―どうしよう、本当についてきちゃった。ていうか…
「この電車の下、透けてるじゃないですか!?」
何と透けていて、下を見ると多くの建物が見える様になっている。
「もしかして沙羅ちゃん、高所苦手?」
「はい…」
「じゃあ沙羅ちゃん、ここで暮らすのは難しいねー」
「えっどうしてですか?」
「だって全てのlineが、この様な造りになってるから」
「全部がですか?」
「そう!全てのlineが下は透けていて、こんな感じで丸い椅子に座る感じかな。みんなここでなんか食べたり飲んだりしてる!沙羅ちゃんの時代と違うの?」
「はい。私たちの時代は、こんな椅子や机なんてありません。みんな横並びで静かに座るような感じで、座らず立って話す人は居ましたけど、基本的に電車の中はみんな静かに揺られる感じです」
「なるほどね、なんかつまらなそうだね」
―やっぱ未来の東京すごいな。あっそういえば、私この人の名前聞くの忘れてた。
「あの、お名前なんて言うんですか?」
「あぁ、言い忘れてたね。僕の名前は黒部ルキ。ルキで良いよ」
「クロベ…」
ルキは微笑んだ。私はそれから電車の窓から見える、Neon tokyo郡2ndの景色を堪能した。窓からは電車や高く聳え立つビルディングや、Neonカラーで「ホテル」と書いてあるビルなど、全ての色彩がカラフルで、見ているだけでワクワクした気分になった。まるで、電車が煌びやかなビル群内のトンネルを駆け抜けているようだった。
―ここは、なんて夢のような場所なんだろう。
「さぁ着いたよ」
あっという間に目的地に到着したらしく、私はルキと駅を降りた。
「ここは…?」
「ここはNeon tokyo郡1stだよ。1stは2ndと違ってオフィスビルや高層住宅ビルが、多く建ち並ぶエリアなんだ」
1stは2ndと違って、緑が多く、洗練された高層ビルが多く建ち並び、騒音もなく、静かで落ち着いている。まるで楽園のような都市だ。
「さぁ、行こう!」
私はルキに連れられて、駅近くの高いビルの前に着いた。
「えっと…ここですか?」
「そうだよ、ここが僕の家」
ルキが住む家は、見上げても上が見えない程高いタワーマンションだった。
「凄い…」
「一応僕の父が所有してるマンションだよ、僕達はここの最上階のペントハウスに暮らしてるんだ」
「ペントハウスに…?」
「まぁね」
ビルの中に入ると、まず最初に見えたのはエントランスホールでよく駅の改札口で見かける、スイカをピッとするやつがある。
「何ですかこれ?」
「これはね、住居者だけが通れる仕組みになってるんだ」
「ただ通るだけで、良いんですか?」
「どう?沙羅ちゃん、未来はすごいでしょ?」
「はい!感激です」
ルキはその改札?みたいな所を通り、私も同じく中へと入った。それからルキに着いていくと、エレベーターホールに到着し、私達はエレベータに乗った。
「ボタン押さなくて良いんですか?」
「うん。床下にあるセンサーが住居者の足に反応して、そこから判断して、こうやって自動的に動くんだよ」
「じゃあ私だけが乗っても反応しないんだ」
「そういうこと!」
するとルキは、私に後ろを向いてみてというジェスチャーをしていたので、振り向くと…
「わぁ〜すごい!!」
そこからはNeon tokyo郡1stの景色が一望できた。2ndとは違いNeonカラーが少なく、自然豊かで、開放感のあるエリアだ。
―私が住んでるところに似てるな
私は自分の故郷を思い出し、少し懐かしくなった。
「さっ着いたよ!沙羅ちゃん」
「ようこそ、我が家へ」
ルキはそう言って、私の手を取った。そしてルキは顔を私に近づけた。
―綺麗な顔…
初めてルキの顔を間近で見て、少しドキリとした。真っ白な肌に、光り輝く金色の髪を靡かせている。私が今まで会ってきた男性の中で、1番カッコいいかも。
「うん?どうした?」
「いや、何でもないです!」
「そう」
するとルキは手で、私の眼を隠した。
「あの何をするつもりですか?」
「沙羅に見せてあげたい景色があるんだ」
「景色ですか…?」
ルキに連れられて歩いて数分後…
「さぁ、どうぞ!!」
「わぁ…凄い、、ここがルキの家…」
私は思わず声を大きくした。ここはリビングの様な広い部屋で、何と中央には大きなプールがあり、左側には大きな窓がある。そこからは、Neon tokyo郡が一望できた。目の前には煌びやかなNeonカラーが、まるで絨毯のように広がっている。きっとあそこは2ndだな。左側は湾岸があって、右側は…
「右側は3rdだよ。競技場とか実験場とか、あとはNeon tokyo群唯一の観光地があるんだ!」
「凄い…すごすぎる!」
未来の日本はこんなにも美しくて刺激的で、魅力的なんだ。この時代に住んでる人は、とても幸せなんだろうな。私は今ワクワクとトキメキが止まらなかった。
「気に入ってくれて嬉しいよ、さぁ!2階へ上がろう」
「へぇー沙羅ちゃんの時代には、プリクラって言うものが若者の世代で流行ってたんだ」
「はい!!私たちの世代で知らない人は居ないぐらいで…ルキの時代には無いんですか?」
「うーん、確か誰かが昔のアンティーク集めてて、それで見かけたような…ていうかタメでいいよw名前は呼び捨てなのに、敬語っておかしいでしょ笑笑」
「そっか笑笑じゃあタメで」
それから私とルキは、プリクラの話とか、今この時代で流行ってる物とかの話で盛り上がった。私とルキは初対面とは思えない程話が弾んで、盛り上がっていた。
「ただいまー」
すると、玄関の方で声がした。どうやら男性が2人帰ってきた様だ。
「ルキまたZの人に、め…」
「ルキ〜今日アリ…」
私とその男性達と眼が合い、お互いに顔を合わせた。赤毛の男性はルキの方を向き、
「ふーん、ルキが女の子連れ込むなんて珍しいじゃん」
といい、私は思わず恥ずかしくなりルキとの距離を置いた。
「こらエース、言葉を慎め」
「痛て!」
エースと呼ばれる子は私と歳が同じぐらいで、黒髪の方は、ルキと同じ年ぐらいに見えた。
「2ndで見かけたんだ。凄く困っててさ」
「へぇ〜僕は黒部エース!ルキの弟だよ、宜しくね」
満面の笑みで手を差し出され、私は素早く握手を交わした。エースは、赤毛の天然パーマで、可愛らしい印象の子だ。
「あっ沙羅です!青山沙羅といいます」
「どこ出身?」
「あっえと…」
―なんて言えば良いんだろう?
私はなんて言葉を返したら良いのか分からず、困っていた。
「沙羅は地区から来たんだよ、いわゆる家出少女ってやつ」
「地区から?それは大変だったね〜」
―地区?どこそれ?ルキに助けられたけど…この人たちに嘘ついちゃった。
「俺はシノ。一応黒部家の人間だよ」
「あっはい…」
シノと名乗る人は黒髪で真面目そうな雰囲気だ。
「シノは黒部家に養子として引き取られたんだ。僕達とは血縁関係じゃ無いけど、大事な家族だよ」
そうやってルキはシノさんとエースくんの横に並んだ。
―確かにシノさん、ルキとエースくんに余り似てないな
「ねぇ!沙羅、突然なんだけどさ」
「うん」
「僕達の家で暮らさない?」
「えっ?」
ルキの提案に流石のシノさんとエースくんも、驚きを隠せなかった。
「いや急すぎないか?」
「僕はさんせーい」
「でも…」
「だって沙羅、これからどうするの?家族にも頼れなさそうだし…快適な部屋と美味しい3食付きってのはどう?勿論家賃もタダ!!」
「凄く嬉しいけど…」
―良いのかな?
「良いの…?」
「もちろん!!」
「確かに、部屋余りまくってるしな」
3人とも、私が住んでも問題ないと言う顔をしている。
―そういうことなら…
「じゃあ宜しくお願いします!!」
ルキと出会ったのは何かの縁だし、有り難く泊まらせてもらう事にした。
「よぉし!!じゃあ…沙羅!!」
ルキはベランダの前へ移動して、私の方へ向き、こう言った。まるで、ドラマがこれから始まろうとする様に。
「ようこそ、Neon tokyo郡へ」
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