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ふと、李玖が笑いながらカップを指さした。
「ていうかさ……
文学部って、レポート多くない?」
「うん、地獄だよ?」
即答したら、李玖が吹き出す。
「だよな。毎週毎週、“〇〇について自分の考えを述べよ”とか言われたら、俺だったら心折れる」
「しかも、先生によって“考察”の定義が違うんだよね。ある先生は“感想文か?”ってくらい自由だし、別の先生は“論文書け”ってくらいガチガチだし」
「マジで大変そう……」
「そっちは?
法学部も結構キツいんじゃないの?」
「うちはレポートっていうか……
課題の量と量と量」
「量って3回言ったね」
「大事なことだから」
ふたりで笑い合う。
レポートの話なんて、
ほんとは全然楽しいものじゃないのに、
なんか、一緒に笑ってるだけで
ちょっと軽くなる。
「……今度、図書館でレポート作業でもする?隣の席キープしといてあげるからさ」
「え、それって“苦しみを分かち合おう”ってこと?」
「そう、戦友になろ」
冗談っぽく拳を突き出した李玖に、
笑いながら軽く拳を合わせた。
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