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メッセージを送ったあと、スマホを伏せた。
何度も見返してしまいそうだったから。
けど——五秒で後悔する。
……何してんだ、俺。
「また話せたら嬉しい」なんて、
気取りすぎだったか?
いや、重すぎ? 軽すぎ?
そもそも夜遅かったか?
落ち着こうとして、ベッドに仰向けになる。
なのに、
スマホのバイブが鳴ったような気がして、
すぐに体を起こした。
確認する。
通知──なし。
「……空耳かよ」
目を閉じてみても、茉耶の声が耳に残ってる。
“ありがとう、聴いてくれて”って、あの言い方。
少し震えてて、でも、ちゃんと前を見てた。
それだけで、なんかもう胸いっぱいになってたはずなのに。
欲が出る。
返事が、欲しい。
「……べつに、すぐじゃなくていいし」
小さく声に出して、自分に言い訳みたいに呟く。
けど、そのくせ三分ごとにスマホを開く自分がいる。
LINE、未読。
ステータスも、変わらない。
通知が来てないのに画面を確認する手は、
もう十回目くらい。
はぁ……
まるで中学生かよ、俺。
でも、いいよな。
今日、会えたんだから。
ちゃんと顔を見て、話せたんだから。
「……焦るな、李玖」
そう呟いて、スマホをそっと机に置いた。
すぐに寝れるわけないけど、
たぶんこの夜のソワソワすら、
今だけの特別な時間だって、
どこかでわかってた。
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