第5話 平穏と襲撃
ハーフエルフの少女が「竜の都」にやってきてからおよそ2ヶ月が過ぎた。始めは萎縮していたが、今では慣れてきたらしい。竜の王も一安心であった。そうした日々を過ごしていた中、アーリオは少女に尋ねた。
アーリオ「そういやァ、お前名前はなんて言うんだ?今更ながら聞いたことなくてよォ。」
少女「私の名前ですか?そうですね。特にこれと言った名前で呼ばれたことはないのですが、強いて言うなら昔何処かで耳にしたシルビアという言葉は名前っぽいのではないでしょうか?」
アーリオ「それを名前とは言わねェだろ。まァお前さんがいいならいいけどよ。じゃァお前さんはこれからシルビアって呼ぶことにするわ。」
シルビア「はい。よろしくお願いします。」
そうしたやり取りもありながら、さらにいくつか月日が流れ、都には平穏な時間が流れていた。竜の王を含んだ竜も、アーリオやシルビアといった人間に近しい者たちも共存できるのだと、希望が芽生え始めていたときだった。とある竜が竜の王の前に現れた。その竜は言った。「人間の軍隊と思しき集団が都に向かって進んできています。いかがいたしましょう?」竜の王「それは本当にここに向かってきているのか?そちらの勘違いで手を出してはたまらんぞ。」竜「ですが、進軍方向と照らし合わせてもこの先に特に人間共の求めるものはないかと。それと、軍隊に加えてただの人間も混じっているので、おそらくこの都の殲滅ついでにシルビア殿を取り戻しに来たのではないかと。」竜の王「そうか。ではアーリオを呼んできてくれ。それから迎撃軍の編成も君に任せよう。異論はあるか?」竜「異論などございません。軍の編成とアーリオ殿の呼び出し。是非この私めにお任せ下さい!」竜の王「助かる。では私はここで待つとしよう。」竜「ハッ!」そうして八分ほどして、
アーリオ「オイオイ、人間共がシルビアを取り戻しに来たッて本当か?やっぱり先に潰しておくべきだったんじゃねぇか?」
竜の王「それを選んだのはシルビア君だよ。いくら君でも、口出しはできない。」
アーリオ「わーッてるよ。これ以上は言わねェ。それより向かってきてるヤツらはこっちの戦力で勝てんのか?」
竜の王「それこそ、心配しないでもらいたい。こちらに控えているのはかつて世界と天空を統べた竜だよ。」
アーリオ「めちゃくちゃ信頼感がスゲェな。ここで人間共を殲滅して歯向かえなくしとくか?」
竜の王「君らしい発想だが、その必要はない。殲滅するにしても、軍隊だけで足りるはずだ。というか軍隊が半壊以上したら逃げ出すんじゃないかな?」
アーリオ「それもそうだな。よし、やるか。」
竜の王「あぁ。どうやらこちらも戦闘準備が整ったようだからね。」
そうして「竜の都」と人間軍の戦争が始まる。アーリオと竜の王、シルビアや都を取り巻くこの争いの先にあるものとは何か?
第6話に続く。
絆を想う竜 ナカヤマショウセイ @Secret064
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